研究課題/領域番号 |
09878136
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
二井 将光 (二井 將光) 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50012646)
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研究分担者 |
三本木 至宏 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10222027)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 線虫 / 重金属イオン / 感覚ニューロン / 忌避行動 |
研究概要 |
顕微鏡下に観察すると、重金属イオンを全く含まないところで前進運動をしていた線虫(C.elegans)は重金属イオンに接触すると後ずさりをし、戻ろうとする。すなわち、線虫は重金属イオンを認識し、行動様式を変換するという忌避行動をする。本研究はこの行動を解析し、認識から行動に至る過程を明らかにすることを目的としている。研究期間内に明らかにした点は以下のようである。 (1)線虫はCu^<2+>,Cd^<2+>,Zn^<2+>をそれぞれ特異的に認識している。(2)それぞれのイオンに対応して感覚受容ニューロンから運動ニューロンまで特定の神経回路を用いている。(3)cGMP-gatedチャネルに欠損のあるものはCd^<2+>に対して忌避行動を示さない。(4)感覚ニューロンに欠損のある株はいずれも忌避行動を示さない。(5)塩素イオンに対する走化性の機構は明らかに異なる機構によって重金属イオンを忌避している。(6)線虫は酸性pHを特異的に認識し忌避することを示した。この認識から忌避に至る行動に関与する神経回路は重金属に対するもとは異なっていた。これらの成果によって、モデル生物である線虫の感覚から行動に至る過程の理解が大きく進展した。
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