研究課題/領域番号 |
09878143
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 敬 京大, 理学(系)研究科, 講師 (30159975)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 蛍光顕微測光 / pH / GFP / 細胞性粘菌 |
研究概要 |
本研究課題では、核内ターゲティング可能なpHプローブを開発するための基礎研究として、(1)pH依存性の変異GFPの作成と、(2)効率の良いスクリーニング法の確立、(3)変異GFPの核内での希望する部域での発現を目指している。さらに、このようなプローブを用いた研究が有用であるためには、(4)生きた細胞を様々な生理的状態に保ちつつ蛍光顕微測光により測定が行えることが必要である。研究計画の第1年度では、このなかでとくに(2)と(4)で大きな成果が得られた。性能の良い干渉フィルターを備えた高輝度光源と、コンピュータにつないだ高感度ビデオカメラを用いることにより、多数のバクテリアまたは細胞性粘菌のコロニーの発する蛍光を同時に定量・解析することが可能になり、効率の良いスクリーニングの見通しが立った。一方、実際の測定時には、調べようとしている状況、たとえば、発生のある時期に特定の遺伝子の転写がおこる領域の核内pHの測定を行いたいとき、自然な発生の進行を妨げず、しかも励起光による様々な生理的な影響を排除した条件で測定を行うのは一般に容易ではない。これは既存のpHプローブを用いてもまだほとんど達成されていない困難な問題で、今回材料として用いた細胞性粘菌でも、このようなin situ測定はまだ成功していなかった。この点に関しても検討を重ね、様々な蛍光プローブを取り込ませた細胞からなる組織を用いて、自然な発生過程における細胞質pHなどの生理的パラメータの連続的なin situ測定の方法を初めて確立し、いくつかの全く新しい知見を得ることができた。(1)に関しては、まだ所期のものは得られていないが、(2)の成果を用いて、次年度予定の(3)とともに継続して努力を行う。
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