細胞周期に依存して中心体に局在し活性化するセリン/スレオニンキナーゼPolo-like kinase(Plk)はMPFによって活性化され、中心体のユビキチンリガーゼ複合体APCの構成蛋白質Tsg24、Cdc16、Cdc27をリン酸化しAPCを活性化し、Cyclin Bをユビキチン化しプロテアソームで分解し細胞分裂後期を完成させることを見い出した。またPKAも中心体にM期特異的に局在しAPCのTsg24とCdc27をリン酸化しAPC活性を抑制し、この抑制はPlkより優勢であることを発見した。これまでAPCがリン酸化により制御されていることが示唆されてきたが、今回はっきりと促進抑制の制御が証明できた。更にAPCの新規構成因子であるDoc1、APC11、Cdc23遺伝子を単離し構造を決定すると共にユビキチン化による制御を明らかにした。APC活性を制御するFzrやp55CDC遺伝子も単離し、pds1やCyclin Bのユビキチン化の制御機構を解析した。また新たな中心体に局在する細胞分裂制御因子を単離し解析するために、中心体の種々のモノクローナル抗体を作成しpericentrin-like遺伝子や構造蛋白と考えられる新規遺伝子を多数単離に成功した。またPlkがMPM-2キナーゼであることを証明し、MPM-2抗原が中心体に多数存在することが判明し、精製中心体の二次元電気泳動から蛋白を精製し抗原遺伝子を単離し構造を決定した。
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