研究課題/領域番号 |
09878185
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
岡 哲雄 東海大学, 医学部, 教授 (40055976)
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研究分担者 |
吉川 正信 東海大学, 医学部, 助手 (90276791)
橋本 篤司 東海大学, 医学部, 講師 (80271592)
小林 広幸 東海大学, 医学部, 講師 (60195807)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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キーワード | モルヒネ / ペチジン / コカイン / in vivo microdialysis / ドパミン / アンチセンスオリゴDNA / 線条体 / 輸送体 |
研究概要 |
In vivo-microdialysis法で、μ-オピオイド受容体(MOR)アゴニストのモルヒネおよびペチジン、ドパミン(DA)輸送体阻害薬のコカイン、κ-オピオイド受容体(KOR)アゴニストのケトサイクラゾシン(KCZ)、およびδ-オピオイド受容体(DOR)アゴニストの[D-Pen^<2,5>]-enkephalin(DPDPE)などを、ラット脳線条体に投与し、細胞外液中のDA量を透析プローブ、電気化学検出器付き高速液体クロマトグラフなどを用いて測定した。その結果、(1)モルヒネでは、用量に依存してDA量が減少した。また、DA量の減少はnaloxoneで拮抗された。(2)コカインでは、用量に依存してDA量が増加した。また、(3)ペチジンでは、用量に依存してDA量が増加した。ペチジンによるDA量の増加の程度は、naloxoneにより一層大きくなった。以上の実験結果、ならびに、ペチジンはDA輸送体と結合するというin vitroの報告から、ペチジンはMORと結合してDA量を減少させるとともに、DA輸送体を阻害してDA量を増加させることが示唆された。なお、MORアゴニストを反復投与すると、MORを介して現れる種々の作用に耐性が現れることが知られている。したがって、モルヒネ、ペチジンなどのMORアゴニストの反復投与期間が長引いた患者にペチジンを投与した場合、コカイン様作用が現れる可能性があることに留意する必要があると思われた。また、細胞外液DA量は、KORアゴニストのKCZで有意に減少し、DORアゴニストのDPDPEでは有意に増加した。これらの意義については今後の研究で明らかにしたい。なお、これらの系におけるアンチセンスオリゴDNAの効果について現在検討中である。
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