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光応答性ナノ磁性材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09F09050
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分外国
研究分野 無機化学
研究機関九州大学

研究代表者

佐藤 治  九州大学, 先導物質化学研究所, 教授

研究分担者 LIU Tao  九州大学, 先導物質化学研究所, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2009 – 2010
研究課題ステータス 完了 (2010年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード単一次元鎖磁石 / 光応答 / 電荷移動 / 交流磁化率 / 金属錯体 / 電子移動 / ヒステリシス
研究概要

光照射による金属から金属への電荷移動を利用してチューナブルな単一次元鎖磁石を作成することを目指して研究を行った。光応答性単一次元鎖磁石を開発するために、CNによって架橋されたFe^<III>_2Co^<II>二重ジグザグ鎖システムに注目した。特に金属間電子移動を示す物質を開発するために、両端部に窒素を有する棒状配位子を利用し、コバルトが窒素六配位構造を有し一次元鎖同士が棒状配位子により磁気的に分離された構造を持つ物質を設計した。水中でCo(ClO_4)6H_2OとLi[Fe(bpy)(CN)_4](bpy=2,2'ビピリジン)、および4,4'bpy(4,4'ビピリジン)を反応させることでブロック状構造を有する{Fe(bpy)(CN)_4]_2Co(4,4'bpy)}の結晶を得た。合成した物質は鉄とコバルトからなる中性で層状構造の物質であり、層間に結晶水が存在している。270Kでは、コバルトはCo^<II-HS>、鉄はFe^<III-L-S>(CN)Co_<II-HS>の結合構造を形成している。一方、結晶をゆっくり冷却すると、分子内電荷移動が誘起され部分的にFe^<III-L-S>(CN)Co^<II-HS>ユニットがFe^<II-L-S>(CN)Co^<III-L-S>ユニットに変換した。温度変化による分子内電荷移動は磁気測定によっても確認できた。xT値によると、高温相から低温相に変化する際に約2/3のCo^<II-HS>がCo^<III-L-S>に変化したことがわかった。従って、この変化は{[Fe^<III>(bpy)(CN)_4]_2Co^<II>(4,4'bpy)}4H_2O←→{[Fe^<II>(bpy)(CN)_4]_<2/3>[Fe^<III>(bpy)(CN)_4]_<4/3>Co^<III>_<2/3>Co^<II>_<1/3>(4,4'bpy)}4H_2Oと表現できる。この物質に5Kで532nmのレーザー光を照射したところFe^<II-LS>Co^<III-L-S>からFe^<III-L-S>Co^<II-IL>への原子価状態の変化が引き起こされた。負の異方性定数を持つCo^<II>の生成、CN基を介した強い鎖内磁気相互作用の存在、4,4'bpyを介した弱い鎖1間磁気相互作用のために光誘起準安定状態は単一次元鎖磁石としての挙動を示すことが予想される。実際5Kで12時間の光照射後、Fe^<II-LS>Co^<III-LS>からFe^<III-LS>Co^<II-IL>への変化によりXT値が著しく増加した。光照射後加熱すると約100Kで光照射前の値に重なった。また、磁化のダイナミクスを調べるために交流磁化率を測定したところ、交流磁化率の実部、虚部共に強い周波数依存を示した。これは、この物質が光照射後単一次元鎖磁石に変化したことを示している。

報告書

(2件)
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Photoinduced Metal-to-Metal Charge Transfer toward Single-Chain Magnet2010

    • 著者名/発表者名
      Tao Liu, Yan-Juan Zhang, S.Kanegawa, O.Sato
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc.

      巻: 132 ページ: 8250-8251

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり

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公開日: 2009-04-01   更新日: 2024-03-26  

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