研究課題/領域番号 |
09F09109
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小山 博之 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授
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研究分担者 |
CHAFFAI R.B. 岐阜大学, 応用生物科学部, 外国人特別研究員
CHAFFAI Radhouane Ben Jamaa 岐阜大学, 応用生物科学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 銅耐性 / 鉄吸収 / マイクロアレイ / 過酸化水素 / 重金属 / シロイヌナズナ / トランスクリプトーム / 植物栄養 / 銅過剰 |
研究概要 |
重金属耐性は複数の遺伝子により支配される形質である。申請者らは、これまでに銅やカドミウムに対する応答遺伝子や、集団遺伝学的構造に関して研究を進めてきた。本研究は、特にシロイヌナズナをモデルとして銅・カドミウムを中心とする、遺伝子発現の品種間差解析や、F2(交配集団)の遺伝解析を通じて、未知の重金属耐性を解明することを目的とした。先ず比較マイクロアレイ解析を行い、銅やカドミウム処理で誘導される遺伝子の多くは、ストレスの強度によらず類似性が高いことを見出した。この遺伝子はカドミウムの場合、過酸化水素応答遺伝子と極めて類似性が高く、カドミニウムが活性酸素代謝の撹乱をターゲットにすることが明確となった。一方、銅に関しては、銅過剰で誘導される鉄欠乏クロロシスに明らかな品種間差が存在することを見出した。これは、銅の吸収・転流システムが、鉄の輸送・転流と共制御を受けているためと考えられ、実際に鉄吸収に関わる重要遺伝子の転写レベルが、銅過剰では抑制されることが明らかとなった。これらの知見を基に、ゲノム配列が解読されているいくつかの系統の応答を解析すると、クロロシスの発生程度や銅耐性程度が、遺伝子発現との関係で説明できる可能性が高いことが明らかとなった。逆遺伝学的な解析など、遺伝子を特定するために必要な項目を終了することができなかったため、今後も継続して研究を進める必要があるが、重要な栄養元素間の拮抗作用を分子レベルで理解するための基盤を構築することができたと考えている。
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