研究課題/領域番号 |
09F09138
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
永田 恭介 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授
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研究分担者 |
SAMAD M.D.Abdus 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | B23 / アデノウイルス / コアタンパク質 / ウイルスクロマチン / ヌクレオホスミン / クロマチン |
研究概要 |
本研究の目的である、アデノウイルス感染細胞における核小体崩壊の意義を明らかとするため、核小体局在タンパク質B23のアデノウイルス感染サイクルにおける機能解析を行った。 アデノウイルス感染細胞の抽出液より抗B23抗体を用いた免疫沈降法を行ったところ、B23がアデノウイルスコアタンパク質との相互作用を介して、ウイルスゲノムと相互作用していることが明らかとなった。次に、B23がアデノウイルスの増殖において重要であるかを検討するため、siRNAを用いてB23の発現量を減少(Knock down : KD)させた細胞におけるアデノウイルスの増殖量を検討した。その結果、B23をKDした細胞においてアデノウイルスの増殖が有意に抑制された。この結果より、B23はアデノウイルスの増殖過程に促進的に機能することが示唆された。さらにB23をKDした細胞におけるウイルスコアタンパク質とウイルスゲノムDNAの相互作用について、抗コアタンパク質抗体を用いたクロマチン免疫沈降法により検討した。その結果、B23のKDにより感染後期においてウイルスコアタンパク質のゲノムDNAへの結合量が減少することが明らかとなった。以上の結果より、B23がアデノウイルス感染後期において、ウイルスゲノムDNAとコアタンパク質の複合体形成に関与する可能性が示唆された。 本研究結果は、感染後期においてB23がウイルスゲノムDNAとコアタンパク質の複合体形成の促進を介して、子孫ウイルス粒子形成に関与している可能性を示唆するものであり、アデノウイルス増殖機構において非常に新しい知見である。また、アデノウイルス感染細胞における核小体崩壊について、ウイルスが核小体局在タンパク質を宿主因子として増殖に利用するという1つの意義を見出せたことで、本研究目的の解明に向けて前進できたと考えている。
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