研究課題/領域番号 |
09F09314
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
楠見 明弘 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授
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研究分担者 |
CHADDA Rahul 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 1分子追跡 / 細胞膜 / ナノ集合体 / 情報交換 / 可塑的分子複合体 / ナノドメイン / 情報変換 |
研究概要 |
細胞膜上のラフト領域は、細胞のシグナル変換やウィルス感染など、重要な生理/病理過程に関与している。しかし、実際にどのように機能するかについては、ほとんどわかっていない。解明が難しかった理由は、(A)大きさが数nmから数10nmと小さいこと、(B)ラフトの寿命やそこへの分子の滞在時間は外部からのシグナルやウィルスなどの刺激によってラフトが安定化する前は、1秒以下と短いこと、(C)そのため、ラフトを直接に調べる手法がほとんどなかったこと、等である。そこで、本研究では、(1)我々が開発してきた高速1分子追跡法を駆使し、ラフトへの分子の出入りを直接観察すること、(2)ラフトをさまざまな方法で大きくしたり、安定化したりする方法を用いること、によってラフトの形成機構と作動機構の解明を目指してきた。 前年度までに、ラフト分子と非ラフト分子が、どのようにラフト領域と非ラフト領域の間を行き来するかを調べる方法を確立した。それに基づき、本年度は、まず、多種類のラフト分子と非ラフト分子について、ラフト領域と非ラフト領域の2つの領域内での拡散係数を求めた。さらに、さまざまなラフト関連分子について、会合体が成長するとともに、ラフト領域内への滞在時間が延びることを見出した。また、会合体の大きさがさらに大きくなると、ラフト領域と非ラフト領域の境界に濃縮されることを見出した。これらは、ラフトに親和性のある受容体分子が、ラフトを利用したシグナル伝達を行うための素過程であることが明らかになってきた。
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