研究課題/領域番号 |
09F09324
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
木質科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和田 昌久 (2010) 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授
空閑 重則 (2009) 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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研究分担者 |
劉 石林 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
LIU Shilin 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | セルロースゲル / エアロゲル / シリカ / 水ガラス / ケイ酸ナトリウム / ナノ複合材料 / 断熱材 / セルロース / ヒドロゲル / ナノコンポジット / 熱伝導率 |
研究概要 |
アルカリ-尿素系溶剤からの再生で得られるセルロースゲル/エアロゲルとシリカとのナノ複合材料を開発した。そのためにシリカ原料としてケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を使用する方法を開発した。水ガラスは従来この種の複合化に用いられてきた有機ケイ酸エステル(TEOSなど)からのゾルゲル法に比して格段に安価であり、この手法は実用技術としての意義が大きい。複合化手法として(1)セルロース溶液への水ガラス添加と再生、(2)セルロース単独再生でゲル化してからの水ガラス含浸、の2種を検討し、いずれも良好な結果を与えた。得られた複合ヒドロゲルは、溶媒置換乾燥してエアロゲルとする、及び水から普通乾燥して密実材料とする、という処理が可能であった。 エアロゲルはセルロース単独のものよりもシリカ添加分だけ密度が高くなるが、意外にも可視光透過率は20%程度向上し、かつ低い熱伝導率(0.04W/mK程度)はほとんど変化しなかった。この材料は透明断熱材として有用と思われる。なお熱伝導率測定のために高断熱性の小片試料に適する手法を本研究で開発した。 密実フィルムはセルロース単独のものと同様完全に透明であり、強度とヤング率の向上に加え、熱膨張率の顕著な低下(合成ポリマーフィルムの70ppm/Kに対し10-20ppm/K)が認められた。これら特徴から本材料はディスプレーなどの透明電子基板としての応用が期待される。これらの成果は東京大学から特許出願した。
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