研究課題/領域番号 |
09F09337
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
杉本 千尋 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授
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研究分担者 |
JIA Honglin 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
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キーワード | 一本鎖抗体 / ラクダ科 / ラマ / 組換え抗体 / トリパノソーマ / 治療用抗体 |
研究概要 |
Trypanosoma bruceiのゲノムデータベースを検索することにより、13種のC-type lectinの遺伝子配列をゲノム上に特定できた。いずれもその予測産物のN末端近くにC-type lectinドメイン(糖鎖結合部位)を有し、VC末端側には膜貫通領域を有し、膜表面蛋白質として発現しており、糖鎖を含む宿主分子と相互作用すると予測できた。これらのうち、3種の遺伝子をゲノムDNAから増幅し塩基配列を確認後、大腸菌に組み込んで発現させ、組換え蛋白質でマウスを免疫し抗血清を得た。この血清で発現を確認したところ、T. brucei rhodesiense血流型、昆虫型ともに細胞表面に発現していることが確認できた。さらに糖鎖結合能を測定するため、糖蛋白質(thyroglobin)を固相化したプレートに組換え蛋白質を反応させたが1結合性は検出できなかった。昆虫細胞系での発現も試みたが、組換え蛋白質の発現は確認できたものの精製は困難であり、解析に必要な純度を持つ標品を十分量調製するには至らなかった。本分子は、トリパノソーマ原虫では初めて確認されたものであり、病原性との関連が考えられた。 次いで、IgE依存性ヒスタミン放出因子と考えられる遺伝子をT. bruceiゲノム配列上に見出し、遺伝子クローニング、その塩基配列解析と発現を行った。作製した抗体による蛍光抗体染色により、本蛋白質が血流型、昆虫型とも原虫細胞質に発現していることを確認した。本遺伝子発現を抑制することにより、増殖が30%程度減少した。組換え産物を用いて生物学的活性を検討した結果、マウスマスト細胞からのConA依存性Il-4,Il-13放出抑制は起こらず、生物活性の検出はできなかった。本分子もトリパノソーマ感染における病態形成に何らかの役割を果たしていると考えられることから、さらに研究を進める必要がある。
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