研究課題/領域番号 |
09F09786
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸岡 啓二 京都大学, 理学研究科, 教授
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研究分担者 |
WALTER Christian 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 有機触媒 / 不斉合成 / 金属触媒 / 第1級アミン / ディールズ・アルダー反応 / アルドール反応 / マンニッヒ反応 / 不斉合成反応 / キラル二官能性有機触媒 / シス-ジアミン / 不斉アルドール反応 / エナンチオ選択性 / ジアステレオ選択性 / 触媒構造 |
研究概要 |
有機触媒による不斉合成反応の開発とその実用化は、従来の金属触媒に比べ環境への負荷が低いという点で、今後の合成化学が目指すべきひとつの大きな課題であり、工業的な面からも大いに注目されている。近年、不斉有機触媒は目覚しい発展を遂げる一方で、効率性などの面においてまだ幾つかの課題が残されており、新しい触媒の開発が急がれている。例えば、光学活性第1級アミンを用いる二官能性有機触媒は、反応中心となる窒素原子周辺の立体環境が、現在、有機触媒分野において汎用されている二級アミン型触媒とは大きく異なることから、芳香族ケトンやかさ高いケトンなどの基質とのより効果的な反応中間体形成といった二級アミン型触媒には見られなかった特性を示す可能性を秘めている。Walter氏はディールス・アルダー反応を用いることにより触媒合成の簡便化を計り、実用化を視野に入れた触媒の開発に成功した。今回、開発された第1級アミン型二官能性有機触媒はアルキル基やアリール基が反応中心点により近くに位置するため、かさ高い基質を使ったアルドール反応やマンニッヒ反応では反応性ならびに立体選択性が低かった。しかし、既存の触媒では立体選択性の制御の難しかったアセトンなどのかさの低い基質では威力を発揮するものと推測される。またWalter氏が取り組んだ触媒合成の手法は極めて一般性が高く、アルキル基やアリール基以外の置換基においても有効であり、従来、合成上の煩雑さから創製の難しかった三官能性有機触媒など、これまでに類例のない多機能性有機触媒の創製も可能になると思われる。
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