研究課題/領域番号 |
09F09816
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
舟窪 浩 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授
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研究分担者 |
CHENTIR M.-T. 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 強誘電体メモリ / モデル実験 / 新物質探索 / 基礎特性 / 温度依存 / 温度依存性 |
研究概要 |
強誘電体メモリ(FeRAM)は、現在コンピュータのメインメモリとして使用されているDRAM並みの高速動作と、電源を切っても情報が保持される不揮発性を併せ持つ"究極のメモリ"として開発された。FeRAMは日本のメーカーが世界に先駆けて商品化し、JRのスイカ等に幅広く使われている。しかし、FeRAMを高密度化し、コンピュータのメインメモリとするためには、優れた強誘電性をもつ新物質の探索と、その物質の信頼性確保が不可欠である。本研究は、エピタキシャルのモデルサンプルを用いることで、新物質の探索とその信頼性確保を行おうとする野心的な研究である。 3年目の今年度は、環境に配慮した非鉛の材料探索として、BaTiO_3-Bi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3のエピタキシャル膜をパルスレーザー堆積法を用いて(100)SrRuO_3//(100)SrTiO_3基板上に作製した。 その結果、以下の結論を得た。 1)Bi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3は高圧合成相であるが、単相の膜の合成に成功した。 2)BaTiO_3-Bi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3系は、すべての組成範囲内について、単相の膜を作製可能であった。 3)Bi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3が20%以上では、残留分極値は、Bi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3含有量の増加に伴って単純に増加した。 4)強誘電体ヒステリシスの角型もBi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3が20%以上では、残留分極値は、Bi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3含有量の増加に伴って単純に増加した。 5)FeRAmの信頼性を損なう可能性のある圧電性は、従来のPb(Zr,Ti)O_3の約半分であった。 5)しかし抗電界の値も同様に増加してしまい、低電圧での駆動には不向きであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PbTiO_3とPb(Zr,Ti)O_3では、固溶体を作製した場合に物性挙動に大きな差があることが、明らかになり、PbTiO_3以外の新規材料系の探索が必要になった。しかし当初予定になかった非鉛圧電体の研究に取り組み、新規なBaTiO_3-Bi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3系を見出した。
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今後の研究の推進方策 |
今後本研究の成果を踏まえて、現行の鉛系材料を凌駕するFeRAM用新規非鉛圧電体材料の開発を行っていく予定である。
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