研究課題/領域番号 |
09J00116
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡野 晃典 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | バンコマイシン / 水素結合 / アミジン / グリコペプチド抗生物質 / 耐性菌 / 細胞壁合成阻害 / ペプチドグリカン / 結合親和性 / アリルジカチオン / 2-アルキニルアジリジン / 環拡大 / 環化反応 / 二環性複素環 / パラジウム / プロパルギルブロミド / 連続反応 |
研究概要 |
バンコマイシンは細胞壁合成酵素を阻害することで抗菌活性を示すグリコペプチド系の抗生物質である。バンコマイシンはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)にも有効な医薬品として知られているが、近年バンコマイシンに対する耐性菌(VRE)が報告されるようになり、新たな作用機構を有する有望な抗生物質の開発が強く求められている。本研究では、バンコマイシン耐性に克服しうる新規感染症治療薬の開発と創薬展開に関する研究課題に真摯に取り組み、以下の成果を得た。 報告者らは、これまでにバンコマイシン耐性菌がバンコマイシンの細胞壁結合部位であるD-アラニル-D-アラニンのD-アラニンをD-乳酸へ構造を変化させて耐性を獲得していることに着目して、特定のアミド基のカルボニルを除去したバンコマイシン誘導体が有効な抗菌作用を示すことを明らかにしている。 今年度は、D-乳酸のエステル基と水素結合を形成可能なアミジンの導入により抗菌活性が向上することを期待し、これまでのバンコマイシン誘導体の合成研究において得られた知見に基づいて、特にアミジンの効率的な導入に重点を置いた誘導体合成の詳細な検討を行った。その結果、適切な合成中間体に対してアミド基をチオカルボニル基に誘導後、銀とアンモニアを作用させることによりアミジンを有する誘導体の合成に成功した。さらに、合成した誘導体に対してモデルリガンドを用いた結合親和性の評価を行った結果、期待通り結合親和性が向上することを明らかにした。
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