研究課題/領域番号 |
09J00122
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山口 拓也 北海道大学, 大学院・農学院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | マメコガネ / Cryタンパク質 / ポアフォーミングトキシン / Bacillus thuringiensis / Cry8Da / Cry8D |
研究概要 |
マメコガネの幼虫は、芝草の根や、落花生を食害する害虫である。地中に生息しているため、殺虫剤の効果を与えにくいため、難防除害虫とされている。一方、成虫は幼虫と異なり、植物の葉や花を食害する。これらのことから、マメコガネの防除は幼虫と成虫を併せて防除することが効果的な防除法である。Bacillus thuringiensis SDS-502株由来のCry8Daは、マメコガネの幼虫と成虫に対して殺虫活性を示す、殺虫タンパク質である。コガネムシ類の幼虫に対して殺虫活性を示すB.thuringiesis由来のCryタンパク質の報告はあったが、成虫に対しても殺虫活性を示すCryタンパク質はCry8Da以外には報告されていない。 前年度までの研究においてCry8Daの標的となる中腸上皮細胞刷子縁膜(BBM)におけるレセプターが幼虫、成虫において異なることが明らかとされたいた。このことから、マメコガネ成虫BBMにおけるレセプターを同定することで新規の殺成虫Cryタンパク質を創出につながると考え、レセプターの同定を行った。BBMにあるCry8Daのレセプターをカラムクロマトグラフィーにより粗精製、ペプチドマップを作成し、内部配列を得た。これらの配列は、β-グルコシダーゼとの相同性があり、粗精製したCry8Daのレセプターがβ-グルコシダーゼ活性を示したことから、Cry8Daのレセプターはβ-グルコシダーゼであると考えられた。また、縮重プライマーを作成し、PCRを行うことで、マメコガネ成虫中腸からβ-グルコシダーゼの部分配列を獲得することができた。 また、マメコガネから調製した中腸上皮細胞に対する細胞毒性試験を行った。その結果、Cry8Daトキシンが細胞毒性を発揮する際に、細胞膜上においてSDS耐性のオリゴマーを形成することが明らかとなった。Cry8Daの細胞毒性機構はマメコガネ成虫においてもCryトキシンの一般的な細胞毒性機構と一致していた。 以上のことから、新規のコガネムシ類成虫に対して殺虫活性を示すCryタンパク質を創出するためには、成虫におけるレセプタであるβ-グルコシダーゼと結合できるようにCryタンパク質を改変することで可能になると考えられた。
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