研究課題
特別研究員奨励費
1)京都新技術3.8m望遠鏡開発について昨年度に引続き、京都新技術3.8m望遠鏡開発における主鏡セグメントの位置制御機構の実験を進めた。今年度は架台部分の1/6周分レプリカを用いた開発実験で、フィードバック制御の原理的な動作確認を行った後、名古屋大学で組立て中の架台(実機)に鉄板製のダミーセグメントを乗せ、支持機構、制御機構を取付けて制御試験を行った、具体的には、1.内周セグメント1枚と外周セグメント1枚の段差が一定になるように制御試験、2.望遠鏡を駆動させた状態でフィードバック試験、3.摩擦が少なくなるように支持・制御機構の改修、を行った。フィードバック試験の結果、望遠鏡が駆動中においても1Hz以下の低周波の振動を抑えることが可能であることが分かった。2)Be/X線連星系の観測的研究についてBe/X線連星系の観測については、2009年冬から2011年秋に観測されたAO535+262/V725 Tauのデータを詳細に解析した。昨年度の大まかな解析の結果、ジャイアントアウトバースト中にはBe星ガス円盤が大きく歪んでいたことが示唆されたが、2005年以降に観測していたデータと複合させ、この特異な輝線は中性子星からの潮汐力で大きく歪んだBe星ガス円盤によって放射されていることが分かった。また、明るい成分の視線速度の解析から、ジャイアントアウトバーストの時には密度の濃い部分が近星点の近くに存在し、アウトバーストはこの密度の濃い部分から中性子星に大量のガスが流れることで起きた可能性が高いことが分かった。更に、アウトバーストの起きた近星点通過時には、Be星ガス円盤から中性子星に向かう濃いガス流に起因する明るい成分が見えることが分かった。これらの大まかな結果はレター論文として発表し、詳細な解析結果については現在論文にまとめているところである。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (19件)
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 63 ページ: 25-29
Proceedings of the International Astronomical Union, IAU Symposium
巻: 272 号: S272 ページ: 618-619
10.1017/s1743921311011586
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
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Monthly Notices of the Royal Astronomical Society (掲載決定)