研究課題/領域番号 |
09J00350
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
内船 芳江 (2010) 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
神通 芳江 (2009) 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | シロアリモドキ目 / 多新翅類 / 胚発生 / ナナフシ目 / チビナナフシ / カワゲラ目 / 比較発生学 / 卵構造 / ジュズヒゲムシ目 |
研究概要 |
本研究の目的は、全昆虫種の98%以上を占める新翅類の起源および系統進化を明らかにするため、新翅類の出現初期に起源する多新翅類において最も系統学的位置の解釈の分かれるシロアリモドキ目を中心に、1)シロアリモドキ目と、シロアリモドキ目との類縁関係が想定されるカワゲラ目、ナナフシ目、ハサミムシ目、ジュズヒゲムシ目について発生学的比較検討を行うための発生学的基盤を整備し、2)詳細な比較発生学的サーヴェーを行うことである。昨年度までにシロアリモドキ目の胚発生過程を詳細に記載し、卵構造の高い類似性からシロアリモドキ目とナナフシ目の類縁性を強調した。本年度はまず、コケシロアリモドキの腹部第10節付属肢とその内葉について発達過程を詳細に調べてきた。腹部第10節付属肢およびその内葉は、多新翅類およびその原始的姉妹群である旧翅類で特異的によく見られる構造であり、多新翅類の形態学的・系統学的理解にとって重要な構造である。ナナフシ目およびカワゲラ目について、採集、採卵、卵固定などにより十分な材料を確保した。目間でバリエーションが見られるとされている胚盤形成や胚運動などの形質について注目して検証を進めている。また、昨年度の研究によりナナフシ目の発生学的理解の鍵を握ることが示唆されたチビナナフシ類についても材料確保のため海外の研究者と交渉を続けている。所属研究室の展開する多新翅類比較発生学プロジェクトでは、世界で初めて原始ハサミムシ類およびジュズヒゲムシ目の発生学的研究に着手し、胚発生過程や卵構造の概要が明らかになってきている。以上のように、各分類群において発生学的基盤の拡充が進められた。今後、これらの分類群の詳細な研究により、多新翅類の比較発生学的議論を発展させていきたい。
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