研究課題/領域番号 |
09J00393
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 博基 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 惑星大気 / 大気力学 / 大気大循環 / スーパーローテーション / 金星 / 理論モデル / パラメータ依存性 / ハドレー循環 / 多重平衡解 / GFD |
研究概要 |
今年度はまず、理想化された大気モデルを用いた、惑星大気スーパーローテーションの強度と力学的平衡状態に関する理論的・数値的研究の成果を投稿論文にまとめ、国際誌Journal of The Atmospheric Sciencesに投稿した。この研究の内容自体は昨年度中に行ったものだが、論文化の過程で理論モデルや考察はより精緻なものとなった。2人の匿名の査読者によって査読された結果、評価が分かれた。頂いたコメントから、後者の査読者には、理想化された大気モデルを用いた理論的・数値的研究の意義が十分に伝わっていなかったと思われた。そこで、大気科学研究のアプローチに対して様々な考え方を持つ読者にも、本研究の意義が伝えられるように改稿し、再投稿した。「自然を理解する」という自然科学の目的は同じでも、そのアプローチに対する考え方は科学者それぞれで異なる。上述の一連の過程を通して、このことを痛切に教えられた。こういった意見の衝突を経験し、相手を説得する力を身につけていくことも研究者として大切である。 上述の論文に関するやり取りの傍ら、構築した理論モデルを利用して、理想化した大気モデルの解を、その力学的平衡状態にもとづいて7種類に分類した。そして、この解の種類のパラメータ依存性を表すレジームダイアグラムを理論的に求めた。さらに、そのレジームダイアグラムの妥当性を数値実験で検証した。この研究により、惑星大気大循環の形態や力学的平衡状態の外部パラメータ依存性に対する知見が深まった。 年度の後半は、博士課程の総仕上げとして、『惑星大気スーパーローテーションの力学に関する研究-自転軸対称な理論モデルの構築と数値実験-』という題目で博士論文を執筆した。調査委員による審査に合格して、博士(理学)の学位が3月26日に授与された。
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