研究課題/領域番号 |
09J00534
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴田 茂 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 核内受容体 / 慢性腎臓病 / 高血圧 / 低分子量G蛋白質 |
研究概要 |
食塩の過剰摂取が高血圧や心腎障害の原因となることは疫学的研究から知られているが、その分子基盤は未解明である。アルドステロン(aldo)/ミネラロコルチコイド受容体(MR)系は腎臓におけるナトリウム再吸収の主要な調節因子であり、体液量管理に中心的な役割を果たしている。食塩感受性高血圧やそれに伴う臓器障害の一因としてこのaldo/MR系の制御異常の関与が示唆されているが、分子メカニズムは十分に明らかとなっていない。そこで本研究では高血圧や腎障害のmediatorとしてMRの機能に着目し、受容体の活性制御異常という観点からこれらの障害の発症・進展機構を検討している。研究者はこれまで、MRの新規活性調節機構として低分子量G蛋白質Rac1とのsignaling interactionの存在を明らかにしている(Shibata S, et al.Nat Med 2008)。そこでこの知見を更に進展させ、Rac1-MR経路が如何なる生体内刺激により活性化し、病態形成において如何なる意義を有するかについて詳細に研究を行った。これまでにいくつかの動物疾患モデルを用いて検討を行った結果、高食塩感受性モデルにおいて食塩摂取により腎Rac1活性化が誘導され、これがMRの転写活性化を介して食塩感受性高血圧や慢性腎臓病の原因となるという知見を得ている。またRac1活性化の分子機構やその治療標的としての意義についても新知見が得られつつある。現在は研究内容を進展させ、新たなMR活性調節機構を明らかにすべく検討を行っている。本研究の成果によって食塩による高血圧や腎障害の進展機序が解明され、生活習慣病の予防・治療に有効な新規標的分子が明らかとなることが期待される。
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