研究課題/領域番号 |
09J00750
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
永井 義一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ヒッグス粒子 / CDF / テバトロン / 質量起源 |
研究概要 |
未解決問題である質量起源の探索についてヒッグス粒子の探索研究を行った。本年度は以下の3点に主眼を置いて研究を行った。(1)低質量ヒッグス粒子を探索するにあたって有力な過程であると考えられている、ヒッグス粒子がボトムクォーク対に崩壊する過程(WH->lvbb)について研究を行った。(2)現在まで解析されていない新しい解析過程(W+4jets)について、ヒッグス粒子探索における発見感度向上の研究を行い、ヒッグス粒子早期発見への貢献ができる見通しを立てた。(3)上記(1)(2)共通の主要背景事象である、W+jets QCD過程について、更なる精度向上を目指して研究を行った。 (1)昨年度までの研究に加えて、新たなWボソン起源のレプトン粒子同定方法を取り入れた。加えてCDF実験にて収集された高統計データを解析時点で使用可能な最大量を用い、昨年度より10%以上の発見感度向上に成功した。 (2)比較的高い質量を持つヒッグス粒子の探索は、ヒッグス粒子がWボソン対へ崩壊する過程が支配的である。現在までに、158-175 GeV質量範囲では95%信頼水準にてヒッグス粒子の存在が棄却されている。しかしながら、130 GeV付近では解析が難しく、現時点で最も発見感度の低い質量領域となっている。状況を改善するため、未解析過程を解析することは意義がある。本研究ではW+4jets過程を用いた発見感度の向上可能性について示した。 (3)W+jets QCD事象のシミュレーション精度が最終結果を大きく左右する。本研究では、現在までに使用されているモデルを再検証すること、精度よく記述できない運動学的物理量の最終結果に与える影響を見積もること、および記述精度を向上させる方法に関しての研究を行った。現在までのところ、上記(1)(2)の研究成果への影響は非常に小さいと分かり、更なる向上を目指して研究を進めている。
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