研究課題/領域番号 |
09J00756
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
村井 聡 山口大学, 大学院・理工学研究科, 講師
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Algebraic shifting / 単体的複体 / Buchsbaum性 / h-列 |
研究概要 |
平成21年度は主に低次元の単体的複体のalgebraic shifting及び面の個数の数え上げについての研究を行った。 単体的複体の面の個数の研究は、組合せ論の分野における主要な研究課題の一つである。本研究では、algebraic shiftingと呼ばれる可換代数の手法を主な研究手段として、代数的なアプローチから単体的複体の面の個数の分類問題についての研究を行った。 本年度は、先ずBuchsbaum単体的複体についての研究を行った。Buchsbaum単体的複体は多様体の三角形分割の概念を代数的に一般化したもので、特に、Buchsbaum単体的複体の面の個数のとりうる値を完全に分類することが懸案の課題とされている。この問題に関し、1996年、寺井直樹教授は2次元Buchsbaum単体的複体の面の個数の分類に関するある予想を提唱した。この予想に対し、計算機を使い、様々なBuchsbaum単体的複体のalgebraic shiftingを計算し、その計算結果からBuchsbaum単体的複体の面の個数の性質を捕らえる、というアプローチからBuchsbaum単体的複体の面の個数についての研究を行った。その結果、上記の2次元Buchsbaum単体的複体の面の個数に関する寺井直樹教授の予想を肯定的に解決し、特に、2次元Buchsbaum単体的複体の面の個数を完全に分類することに成功した。 また、その後、寺井直樹教授との共同研究で、上記の手法をさらに一般化することにより、セール条件と呼ばれる代数的な性質を持つ単体的複体のh-列が部分的に非負になるという結果を得た。この結果はCohen-Macaulayと呼ばれる性質を持つ単体的複体のh-列が非負になるというスタンレーの古典的な重要な結果の精密化となっており、今後のh-列の研究に大きな影響を与えることが期待できる結果である。
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