研究課題/領域番号 |
09J00866
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 隆行 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員、DC1
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 環拡張ポルフィリン / メビウス芳香族性 / 光学分割 / クロスカップリング / サブポルフィリン / X線結晶構造解析 / ポルフィリンテープ / サイクリックボルタメトリー / ポルフィリン / 非線形光学材料 / ボロンジピロメテン / エネルギー移動 |
研究概要 |
メビウス芳香族性を有するヘキサフィリンPd錯体の不斉合成の検討中に見出した新規なPd錯体の同定に成功し、その効率的合成法と性質を明らかにした。この新規な錯体は塩酸処理をすることで塩酸付加体へと変換でき、Stilleカップリングによるβ位エチニル化が可能であった。ここで得られた一連の化合物はメビウス芳香族性を失うことなくその骨格を維持していることが各種物性測定の結果から明らかとなった。本反応は分子対称性の低いメビウス芳香族性分子を位置選択的に、またその芳香族性を失うことなく進行するため、今後メビウス分子を応用するにあたって極めて有用である。また、この反応をS-BINAPを用いて行うことで、ジアステレオ選択的に反応が進行し、光学活性なヘキサフィリンをHPLCの分割なしに合成できる点でも有用である。 また、サブポルフィリンの合成法はこれまで、ピリジン-トリピロリルボランをテンプレート中心としたアルデヒドとの縮合反応により合成されてきたが、収率が低く、全てのメゾ位の置換基が同じものに限定的であった。そこで、5,10-ジフェニルトリピランを原料として用い、トリエチルアミン-ボランとの反応でトリエチルアミン-トリピロリルメテン-ボラン錯体を系内発生させ、続く酸塩化物との反応と空気下強熱による縮合酸化反応によりサブポルフィリン類がより効率的に合成できることを明らかとした。この反応を用いることにより様々なタイプのA2B型サブポルフィリン類を合成し、その物性を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初新規π拡張型縮環ポルフィリノイドの化学の探求を指向していたが、そのテーマについては概ね完成し、本年は所属研究室のメインテーマである環拡張ポルフィリン・環縮小ポルフィリン類の研究に従事した。今後につながる新規性の高い研究を行い、その基礎研究の成果を既に学術論文に投稿している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も新規骨格・新規反応の探求を続け、新しいポルフィリノイドの研究を続行する。
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