研究課題/領域番号 |
09J01189
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中里 健一郎 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 高エネルギー天体現象 / ニュートリノ天文学 / 高温・高密度物質 / 重力崩壊 / ブラックホール形成 / ハドロン物理 / クォーク相転移 |
研究概要 |
太陽の10倍以上の質量を持つ星は、その進化の最後に重力崩壊を起こして超新星爆発に至ると考えられている。超新星爆発は元素の起源や銀河進化の動力源として重要なだけでなく、近年、話題を呼んでいるガンマ線バーストなどの高エネルギー天体現象との関連も指摘される、宇宙物理学における中心課題の一つであるが、その詳細な爆発メカニズムが未解明であるなど今なお解決されるべき問題を多く含んだテーマでもある。特に超新星爆発の中心部では非常に高温で高密度な状態となるため、ミクロな物理過程がマクロな天体現象に影響を与える複雑な状態になっているが、本研究課題ではこういった高密度天体内部の現象を探る際にはニュートリノによる観測が有用であるという観点から、その理論予測を目指して研究を進めている。 本年度は、重力崩壊を起こす星のうちでも特に質量が大きく、ブラックホールを形成する場合に対して、その中心部におけるクォーク相転移の影響を調べた。具体的には、太陽の40~400倍の質量をもつ星の重力崩壊とそれに伴うブラックホール形成の数値シミュレーションを行った。その結果、100倍の太陽質量以下では重力崩壊の途中で跳ね返り(バウンス)が起こり、効率的にニュートリノが放射されるフェーズが1秒程度持続した後、クォーク相転移によってブラックホール形成が誘発されることが分かった。一方、それより質量の大きい星の崩壊ではバウンスが起こらずクォーク相転移による影響は現れなかった。また前者の場合、クォーク相転移が起こる場合は起こらない場合と比べてニュートリノの総放出量が少なく、観測的に有為な違いになると期待できることが分かった。
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