研究課題/領域番号 |
09J01325
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金子 元 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 代数的数 / 正規数 / 一様分布論 / 小数部分 / 等比数列 / 極限点 / 数系 / Mahler関数 / 有理近似 / 超越数 / 代数的独立 |
研究概要 |
本年度は、実数のb進展開に現れるdigitを解析した。特に、代数的無理数のb進展開において、digitが均等に現れるというBorelの予想の解決に向けた研究を行った。代数的無理数のb進展開におけるdigitを調べることで、代数的無理数の数論的性質を解析することにより、整数論への応用が期待される。Borelの予想の具体例として√2など、代数的無理数の2進展開では、digitである0と1が同じ割合で現れると数値実験から予想されている。しかし、実際にdigitの均等性が証明されている代数的無理数は存在せず、この予想は解決には程遠い。そこで、Bugeaudは予想の解決に向けて、b進展開におけるdigit変化数を研究することを提案した。なぜならばdigit変化数が多いことを証明できれば、digitの均等性の証拠になるからである。BugeaudとEvertseは有理近似の方法を用いてdigit変化数の下からの評価式を構成した。ところが、彼らの結果は、数値実験で予想される値よりも弱いものである。そのため、彼らの結果を改良することを目指した。昨年度は、2進展開の場合においてのみ、彼らの結果を改良することに成功した。今年度は全てのb進展開に対して、代数的無理数のdigit変化数の先行結果を改良することができた。 また、本年度は等比数列の小数部分の大きさを解析した。特に、小数部分の極限点に着目して研究を行った。極限点の最大値と最小値の大きさを決定すれば、小数部分が漸近的にどのような大きさを取るかについて知ることができるからである。等比数列の小数部分の大きさを調べることも、公比の数論的性質の研究につながる。本研究では公比が具体的に与えられたときに、極限点の最大値と最小値がどのような値であるかについて、Mahler関数の特殊値を用いて記述することに成功した。
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