研究課題/領域番号 |
09J01531
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 亮佑 北海道大学, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ドラッグデリバリーシステム / ナノ粒子 / リポソーム / 遺伝子治療 / 細胞内動態制御 / Mono-cationic detergent / 脂質膜枚数制御 / 非ウィルス性ベクター / ドラッグデリバリーシステム(DDS) / pDNA / siRNA / 核酸 |
研究概要 |
本研究は、核酸ナノキャリアによる非分裂細胞への効率的な核酸送達を目的とする.これまでに、Mono-cationic detergent (MCD)で調製したナノ粒子化DNAを脂質二重膜からなるリポソームへ封入した多機能性エンベロープ型ナノ構造体(MEND)は、ナノ粒子化DNAのそれに近い粒子径であることを明らかとしている.MCDによる脂質膜への作用を原因として考察し、当該年度はMCDを基盤とした脂質膜枚数制御技術の確立に取り組んだ.はじめに、ナノ粒子化DNAの調製にポリカチオンを用いて、MCDとしてThonzonium bromide (TB)を脂質膜に含有させたMEND (TB-MEND)を構築した.その結果、最適なTB含量において、TB-MENDはナノ粒子化DNAに極めて近い粒子径を有することを明らかとした.さらに、脂質膜枚数の各種評価により、TB-MENDの脂質膜は1枚である可能性が高いことを明らかとした.本研究の目的を達成するために、1枚からなるTB含有脂質膜へ2枚の脂質膜からなるDi-lamellar MEND (D-MEND)を封入したリポソームの構築を行った.本戦略の特徴は、突破すべき生体膜の枚数と同一の3枚からなる脂質膜構造体を構築する点にある.その結果、TBの正電荷による静電的相互作用を経た時のみにおいて、負電荷脂質のみからなるTriple-layered MEND (TL-MEND)の構築に成功した.非分裂細胞モデルに対し、TL-MENDは脂質膜枚数の制御が困難な従来型MENDに対して非常に高いトランスフェクション活性を発揮することを明らかとした.1枚膜の簡便な形成が可能な本系は、細胞質を標的とする薬物への応用、1枚ごとに突破する生体膜に最適な脂質組成から構成される革新的パッケージングコンセプトへの進化が可能な基盤技術として幅広い利用が期待される.
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