研究課題/領域番号 |
09J01532
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前田 早苗 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 慢性疼痛 / グリア細胞 / TRPM2 / モルヒネ / アミトリプチリン / トラマドール / アストロサイト / アロディニア |
研究概要 |
末梢組織の免疫担当細胞であるマクロファージや好中球におけるTRPM2の役割を検討するため、TRPM2+/+マウスとしてGFPトランスジェニックマウスを用い、TRPM2-KOマウスに対してマクロファージ特異的にTRPM2をノックインした脊髄キメラマウスを作製した。今後はこのキメラマウスとTRPM2-KOマウスを用いて、炎症性および神経障害性疼痛モデルにおけるマクロファージのTRPM2の機能を解析する予定である。 また、慢性疼痛における脊髄内グリア細胞の活性化に注目し、臨床で慢性疼痛の治療に使用されているモルヒネ、アミトリプチリンおよびトラマドールの脊髄内グリア細胞活性化に及ぼす影響について検討した。坐骨神経部分結紮処置の当日から、もしくは7日後から各薬物を反復投与したところ、アミトリプチリンおよびトラマドールは5日以上の反復投与で持続性のアロディニア改善作用を示した。結紮当日から7日後にかけて各薬物を投与し、脊髄後角におけるミクログリアおよびアストロサイトの活性化状態を免疫染色法により検討したところ、モルヒネは活性化の増強作用を、アミトリプチリンは活性化の抑制効果を示した。トラマドールはミクログリアにはほとんど影響を与えなかったが、アストロサイトの活性化抑制作用を示した。そこで、単離培養アストロサイトにTNF-a刺激を与えた際の炎症性サイトカインmRNAレベルをreal time RT-PCR法により検討したところ、アミトリプチリンおよびトラマドールはIL-1bの発現誘導を抑制した。したがって、アミトリプチリンおよびトラマドールの抗アロディニア作用は、脊髄内アストロサイトに対する活性化抑制作用と関連することが推察される。
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