研究課題/領域番号 |
09J01671
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中本 真人 慶應義塾大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 芸能史 / 日本音楽史 / 石清水八幡宮寺 / 八幡愚童訓 / 御神楽 / 人長 / 八幡信仰 / 雅楽 / 日本芸能史 / 石清水八幡宮 / 説話 |
研究概要 |
本年度は、平安期から中世初期にかけての石清水八幡宮寺の御神楽の詳細な実態を明らかにするとともに、その成果に基づいて宮廷の御神楽に関する研究を進展させた。 石清水八幡宮寺の御神楽に関する研究では、まず石清水行幸・石清水御幸について、特に宝前の儀に注目しながら具体的な実態を検討した。また、宮寺の恒例の御神楽である初卯の御神楽については、その具体的な次第や構成を明らかにしつつ、八幡三座の神像に対する祭事の性格を有していたことを明らかにした。さらに初卯の御神楽と、石清水八幡宮寺の縁起である『八幡愚童訓』甲本・乙本との関係についても検討し、初卯の御神楽には、宮中の御神楽などには奉仕しない巫女が奉仕していることが確認され、石清水八幡宮寺の縁起に記される御神楽が、初卯の御神楽の特徴に一致することも判明した。また、この御神楽の特徴には、宮中の鎮魂祭および園・韓神祭の特徴と一致する点も確認されたことから、この両者の関係について引き続き検討していく予定である。 以上のような石清水八幡宮寺の御神楽の研究成果に基づいて、このほかの宮廷の御神楽に関する考察も進展させた。具体的には、内侍所御神楽・賀茂臨時祭の還立の御神楽・石清水臨時祭の御神楽における人長作法について取り上げ、その中の歌人(うたびと)の位置について検討した。その中で、人長作法の歌人と、そのあとの御神楽の拍子の役とは、必ずしも一致せず、また人長作法の歌人については、近衛召人に参加資格のないことなどが明らかになった。さらに、10世紀から11世紀初頭にかけて活躍した人長・尾張兼時について検討し、兼時が内侍所御神楽の成立に深く関与した可能性が高いことなどを指摘した。 本研究の成果は、学術雑誌にて公表されるが、将来刊行が予定されている単著にも収められる予定であり、今後はそれに向けた作業も行っていく計画である。
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