研究課題
特別研究員奨励費
これまでの研究から、二重鎖RNAによるToll-like receptor 3(TLR3)を介した樹状細胞への刺激が、Thl応答を強く誘導し、細胞障害性T細胞(CTL)の誘導に重要なクロスプレゼンテーション(XP)を促進する事が明らかとなっている。しかし、TLR3シグナルによるXP制御機構の分子基盤については明らかとなっておらず、本研究ではTLR3によるXP制御機構の解析を行うこととした。二重鎖RNAの合成アナログ、polyI:CはTLR3/TICAM-1経路(エンドソーム)、MDA5/IPS-1経路(細胞質)を介してシグナルを伝達する。また、polyI:CによるCTL誘導にはCD8+DCが重要であることが知られている。本研究では、CD8+DCによるCTL誘導にはTICAM-1が必須であり、IPS-1は機能しないことを明らかとした。さらに、CTL感受性の腫瘍であるEG7を移植したマウスモデルでは、polyI:Cを投与すると主にTICAM-1経路を介してCTLを活性化し、腫瘍の増殖を抑制することが明らかとなった。次に、TICAM-1経路によって誘導されるXPに必須の分子を探索したところ、p47 GTPaseファミリーの発現がTICAM-1依存的に上昇することが明らかとなった。さらに、p47 GTPaseファミリーの一つをノックダウンするとXPが現弱することも示した。本研究はpolyl:CによるCTL誘導機構について個体レベル、分子レベルで解析を行い、CD8+DCにおけるTICAM-1の重要性、およびXP制御機構の一端を明らかとすることができた。
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