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食植性昆虫における同所的ホストレース形成

研究課題

研究課題/領域番号 09J02005
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 生物多様性・分類
研究機関北海道大学

研究代表者

甲山 哲生  北海道大学, 大学院・環境科学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2009 – 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード植食性昆虫 / 寄主範囲の拡大 / 集団遺伝 / ミトコンドリア遺伝子 / AFLP / 食植生昆虫 / 寄主選択行動 / コンディショニング / ホストレース形成 / 食植性昆虫 / ホストレース / 生態的種分化 / 集団遺伝学
研究概要

植食性昆虫は、地球上の生物で最も種多様性が高いグループの1つであり、その進化、特に種分化過程を解明することは、生物多様性の創出メカニズムの理解につながる。生活史の大部分を寄主植物に依存している植食性昆虫にとって、寄主範囲の拡大はその進化・多様化において重要なイベントであるが、その過程が野外集団で観察されることは稀である。キクビアオハムシは、日本全土に広く分布し、主な寄主植物としてサルナシを利用することが知られているが、近年、関東以西においてオオバアサガラを利用する集団が発見された。キクビアオハムシのオオバアサガラの利用能力には著しい地理変異がみられることがわかっており、オオバアサガラへの寄主範囲の拡大が今まさに生じていると考えられる。平成23年度は、キクビアオハムシの情報がほとんどなかった四国・九州より採集し、その寄主利用能力、遺伝的構成を調べた。四国および九州北部では、野外でオオバアサガラを利用する集団が確認され、飼育環境下でもオオバアサガラ上で生育できたが、オオバアサガラが分布しない九州南部の集団は、オオバアサガラをほとんど利用できなかった。ミトコンドリアCOI遺伝子を用いた集団遺伝学的解析の結果、国内のキクビアオハムシには、遺伝的分化の大きい5つのクレードが存在し、この内の3つが、オオバアサガラを全く利用できない集団と利用できる集団を含むことから、寄主範囲の拡大は比較的最近に各地で独立に生じたことが示唆され、AFLPを用いた解析の結果もこれを支持するものであった。以上より、キクビアオハムシは寄主範囲の拡大が現在進行中である極めて稀な例であると考えられる。今後、本種における寄主範囲の拡大を促す生態的要因について、また新寄主への適応に関連した遺伝的な基盤について明らかにすることにより、植食性昆虫における寄主利用の進化およびその多様化についての理解が進むと考えられる。

報告書

(3件)
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Geograpnic variation of host use in the leaf beetle Agelasa nigriceps suggests host range expansion2012

    • 著者名/発表者名
      TI Kohyama, K Matsumoto, H Katakura
    • 雑誌名

      Entomologia Experimentalis et Applicata

      巻: 141 号: 2 ページ: 165-174

    • DOI

      10.1111/j.1570-7458.2011.01211.x

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Newly Recorded Host Plant for the Leaf Beetle Agelasa nigriceps Motchlsky, and Differences in Feeding Habits between Host-Specific Populaions2009

    • 著者名/発表者名
      Kazuma Matsumoto, Tetso I.Kohyama, Haruo Katakura
    • 雑誌名

      New Entomologist 58

      ページ: 57-61

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 幼虫期における摂食経験は、羽化後の寄主選択に影響を与えるか?2011

    • 著者名/発表者名
      甲山哲生, 片倉晴雄
    • 学会等名
      第58回日本生態学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2011-03-10
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 異なる食草への適応は遺伝的分化を促進するか?-AFLPを用いたキクビアオハムシの集団遺伝解析2010

    • 著者名/発表者名
      甲山折生, 松本和馬, 片倉晴雄
    • 学会等名
      第57回日本生態学会
    • 発表場所
      東大駒場キャンパス(東京)
    • 年月日
      2010-03-17
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

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公開日: 2009-04-01   更新日: 2024-03-26  

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