研究課題/領域番号 |
09J02032
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上野 哲朗 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 磁性 / 磁気異方性 / 薄膜 / X線磁気円二色性 / 電子線回折 / 走査型トンネル顕微鏡 / 第一原理計算 / 放射光 |
研究概要 |
本研究課題では低次元ナノ構造磁性体の特異な磁性を電子状態と原子構造の観点から解明するため、実験と電子状態計算、実験装置の整備などを行ってきた。本年度はビームラインに接続した走査型トンネル顕微鏡の整備と、これまでに得た研究成果の発表を中心に行った。本年度に行った具体的な研究内容は次の通りである。(1)装置整備に関しては、広島大学放射光科学研究センターの軟x線ビームラインHiSOR-BL14に走査型トンネル顕微鏡(STM)装置を接続した。このSTM装置を用いて鉄を微量蒸着した金(111)表面の観察を行ったところ、室温での測定においても鉄の形成するナノ構造の形状を峻別できるほど充分な空間分解能でSTM像が得られることがわかった。今後、表面ナノ構造の実空間観察と放射光分光実験を組み合わせた研究を展開することができる。(2)低次元ナノ構造磁性体に関連した物質系として鉄パラジウム超薄膜の磁気異方性と原子構造の研究を行った。計算プログラムを工夫して低速電子線回折による原子構造解析の精度を向上させた。その結果、パラジウム(001)上の鉄超薄膜の示す面直磁気異方性が、強い一軸磁気異方性を示す鉄パラジウム合金と同様の結晶構造に起因していることが分かった。またわずかな格子定数の変化によって磁気異方性が面直から面内方向に変化することが分かった。これらは格子定数を制御することによって磁気異方性を制御できる可能性を示唆している。この研究について、性格の異なる4件の会議(真空紫外・X線国際会議、磁性と磁性体に関する会議、米国物理学会など)で発表を行い議論した。
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