研究課題/領域番号 |
09J02346
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊吉 祥平 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 蛍光プローブ / 亜鉛イオン / 銅一価イオン / 細胞内小器官 / 蛍光イメージング / 蛍光センサー |
研究概要 |
本年度は、細胞膜局在型亜鉛蛍光プローブの開発及びレシオ型銅一価蛍光プローブの開発を行った。前者では、まずテトラメチルロサミン(TMR)骨格に亜鉛配位部位を結合させたモデル化合物LTMRを合成し、生理的条件下において種々の測定を行ったところ、亜鉛イオンの添加に伴って90倍程度の蛍光増大が観測された。また、この蛍光応答性は亜鉛特異的であったことから、LTMRは亜鉛蛍光プローブとして十分な機能を有していることがわかった。次に、LTMRのメチル基を長鎖アルキル基ジオクタデシルアミン(DODA)で置換したLR-DODAを新規に合成した。亜鉛イオンに対する蛍光応答について検討したところ、LTMRで得られた結果と同様、強い蛍光増大が確認された。DODAは細胞膜に固定化されるが、亜鉛結合部位は膜非透過性であることから、LR-DODAは細胞膜外側における局所的な亜鉛濃度変化をイメージングできるツール分子として機能することが期待できる。後者では、前年度報告したベンジルエーテルを介して還元型フルオレセインに三座配位子TPAを結合させた化合物(FluTPAs)のFRET機構に基づいたレシオ型プローブへの拡張を目指し、FluTPA骨格へのエネルギードナーとしてのクマリン誘導体の導入を試みた。ピペラジンあるいはシクロヘキサンをリンカーとする化合物CC-FluTPA2およびCP-FluTPA2をそれぞれ合成し、銅一価イオンに対する蛍光応答能や金属イオン選択性などから、レシオ型蛍光プローブ分子としての機能を総合的に評価した。2mMアスコルビン酸ナトリウム存在下において、1μM CC-FluTPA2メタノール溶液の蛍光スペクトル測定を行ったところ、465nm付近にクマリン部位由来の蛍光が観測された。また、この溶液に5当量の銅一価イオンを添加したところ、465nmの蛍光の減少とともに、フルオレセイン部位由来と考えられる510nmの蛍光の増大が確認された。加えてCC-FluTPA2は銅一価イオンに対して選択的な蛍光応答を示す事が確認され、銅一価蛍光プローブとして十分な機能を有していることが示唆された。
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