研究課題/領域番号 |
09J03117
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 木綿 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | イディッシュ / 社会主義 / 労働運動 / ナショナリズム / 社会主義文化 / 民族問題 / ブンド / 東欧ユダヤ人 / 近現代ユダヤ史 / ユダヤ人問題 / 社会主義運動 |
研究概要 |
本研究の意義は、19世紀末から20世紀にかけて東欧ユダヤ人の間で展開した「ユダヤ民族主義」と「イディッシュ文化」の発展とを考察することで、従来日本において十分注目されてこなかった東欧ユダヤ社会の政治・文化の諸相を明らかにする点にある。具体的事例としては、ユダヤ人社会主義組織「ブンド」を考察対象としている。この組織の活動と理念に着目することは、次の二点において重要性を持つ。第一に、「ユダヤ民族主義」といえば従来専らシオニズムが想起されていたが、本研究は、シオニズムに一貫して反対しながらヨーロッパ内でのユダヤ人の民族的存続を模索した「ブンド」の理念を明らかにすることで、ヨーロッパ・ユダヤ人の民族的志向の多様性を提示できるということである。第二に、「ブンド」の民族的アイデンティティの基盤としてイディッシュ語・イディッシュ文化に着目した本研究は、イディッシュ語資料を用いた東欧ユダヤ研究という日本でいまだ確立していない研究領域を開拓しうる。本年度は、ブンドの民族綱領である「文化的民族自治」の実践形態として、戦間期ポーランドにおけるイディッシュ語による世俗教育システムTSYSHOの運動とブンドの関わりについて検討した。また、その中で創出を試みられたブンドの「新しい文化」の内容について考察した。その成果は神戸ユダヤ文化研究会による市民講座、大阪大学GCOEプログラム編の叢書を通じて公表した。また、ニューヨークのYIVO(Institute for Jewish Research)での2ヶ月の滞在研究によってTSYSHO関連資料の調査・読み込みを行う他、ニューヨーク在住のTSYSHO学校卒業生や東欧ユダヤ研究者を訪問することで、本研究の展望をさらに広げることができた。
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