研究課題/領域番号 |
09J03138
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
羽場 亮太 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | CRTH2 / PGD_2 / 精神機能 / Sickness behavior / 興味・好奇心 / うつ様表現型 / 扁桃体 / 行動薬理学 / 15d-PGJ_2 / PC12細胞 / 神経突起伸展 |
研究概要 |
当研究室では、プロスタグランジン(PG)D_2の2型受容体(CRTH2)がPACAPの下流で日内行動リズムの調節に関わることを示し、脳内CRTH2の生理機能を実証した。本研究では中枢神経系におけるCRTH2の機能解明を目的とし、本年度は、主として前年度に得られたLPS誘発性sickness behaviorモデルでの知見をもとに検討を進め、以下の結果を得た。 1.LPSによる扁桃体中心核(CeA)の活性化に対するCRTH2の関与は、迷走神経を介した神経経路に非依存的かつ(おそらく)神経細胞等で産生されたPGを介した液性経路に依存的であることを示した。以上の結果から、炎症病態下における脳内CRTH2を介したCeAの活性化機構が初めて明らかになった。 2.Sickness behavior発現が知られる担ガンマウスで検討した結果、LPSモデルと同様、強制水泳試験での無動時間の増加や、新奇物体探索行動/社会性行動が減少することを見出した。またCRTH2遺伝子欠損(KO)マウスではこれら情動機能障害が消失することを見出し、特定のsickness behaviorの発現におけるCRTH2の普遍的関与を実証した。 3.コルチコステロン(CORT)の慢性投与によるうつ病モデル動物において、強制水泳試験での無動時間の増加に加え、社会性行動の減少も認められることを見出した。またCRTH2-KOマウスでは、他のモデルと同様にこれら情動機能障害が消失することを見出し、CRTH2がうつ病病態の発現にも関わる可能性を示した。 4.担ガンモデルにおいて、腫瘍の拡大が進行した後にラマトロバンを腹腔内に単回投与すると情動機能障害が抑制されることを見出した。すなわち、ガン病態下での情動機能障害に対するCRTH2拮抗薬の有用性を実証した。 以上、これまでの研究により、CRTH2は炎症やガン、さらにはうつ病などの病態下での"抑うつ性症状の発現"に普遍的に関与する分子であることが示され、本分子がこれら情動機能障害の新たな創薬標的となる可能性が示された。
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