研究課題/領域番号 |
09J03227
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横森 大輔 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 相互行為言語学 / 接続助詞 / 後置 / 認知 / 談話 / 会話分析 / 言い淀み / 言いさし / 談話行動 |
研究概要 |
一年目に引き続き、ケド節やカラ節が係り先を持たない用法についてのデータ分析を行った。まず、「係り先の不在」現象の一つの由来として考えることのできる、「後置現象」についての分析を取りまとめ、ドイツのマンハイム大学で行われたThe 3rd International Conference on Conversation Analysisにて発表した。また、カラ節そのものの持つ意味・機能を明らかにするため、カラによるマーキングとノデによるマーキングについて、相互行為の展開の観点から比較した。その結果、カラは、「談話が展開する時間に沿って、特定の判断材料(カラ節)から、結論(主節)を導く」、ノデは「本題(主節)を理解するために必要な情報の一つとして、本題として伝えられる事態をもたらした背景事情(ノデ節)を、聞き手の知識領域に登録する」と定式化することが可能であり、一般的に類義的であるとされているカラとノデが、相互行為上の働きは大きく異なっていることが判明した。この研究成果は、The 12th Annual International Conference of the Japanese Society for Language Sciencesで発表を行った。 いくつかのケーススタディを通じ、接続助詞が係り先を持たない現象を理解する上で、「認知と相互行為の接点としての接続表現」という理論的視点を導入することの有効性を見出した。これは従来の言語学的研究が、言語表現を話し手個人の認知状態との関連で記述を行っていたのに対し、むしろ相互行為の資源となる認知状態のディスプレイとして記述する、という分析の枠組みである。この理論的な整備の成果を、『認知言語学論考No.9』に掲載された論文に発表した。
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