研究課題
特別研究員奨励費
無尾両生類の下腹部皮膚には下腹部皮膚型アクアポリン(AQP)が発現し、アルギニンバソトシン(AVT)の調節下で下腹部皮膚から水を吸収する。1)半水棲カエルの下腹部皮膚型アクアポリン(AQP)クローニング半水棲のアカガエル(Rana japonica)は、下腹部皮膚型AQPとしてAQP-rj3が知られているが、これとは異なる下腹部皮膚型AQP、AQP-rj3Nを新規にクローニングし、発現分布と機能を解析した。その結果、このAQP-rj3Nは大腿部皮膚に主として発現し、AVTによる調節を受けることを明らかとした。AQP-rj3とAQP-rj3NはどちらもAVT刺激によりトランスロケーションすることで、下腹部皮膚からの水吸収を促進する。2)各種カエル下腹部皮膚におけるPelvic patch領域の比較陸上棲のヒキガエルや樹上棲のアマガエルでは、下腹部皮膚から大腿部皮膚にかけて広くPelvic patch領域が分布するが、一部の半水棲のカエルではAQPの発現が大腿部のみでしか見られず、Pelvic patch領域の範囲がカエルの種や生息環境によって異なることを明らかとした。3)各種AQP分子の水透過能の比較AQPの機能解析には、ツメガエル(Xenopus laevis)の卵細胞を用いたSwelling assayが広く使われている。しかし、カエルのAQPの中には、ツメガエルの卵細胞でタンパク質発現するものの、細胞膜に輸送されず、水透過能が測定できないものがいくつか見られた。そのため、カエルAQPの水透過能を比較することが困難であったため、ツメガエル卵ではなく、酵母菌を用いた実験系を用いて水透過能解析を行なった。酵母から膜画分を精製し、膜小胞の膨張を測定するStopped flow spectrophotometry法を確立し、同方法を用いてAQP水透過能を測定した。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)
American Journal of Physiology Regulatory, Integrative & Comparative Physiology
巻: 299
Endocrinology 151
ページ: 165-173
Journal of Experimental Biology 213
ページ: 188-294