• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

プラトンにおける詩作と技術――弁論術とミーメーシスの考察を手がかりに――

研究課題

研究課題/領域番号 09J03681
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 思想史
研究機関京都大学

研究代表者

岩田 直也  京都大学, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2009 – 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワードプラトン / 国家 / 対象 / 知識 / 思わく(ドクサ) / 能力 / 二世界説 / 内包・外延 / 古代哲学 / 『国家』 / 『ゴルギアス』 / 『パイドロス』 / 技術 / 詩作
研究概要

今年度(2010年度)の主な研究成果は、8月に東京で開催された「国際プラトン学会」にて口頭発表を行った、プラトン『国家』第五巻末の議論での「対象」の意味の再検討である。プラトンは、ここでの議論において、「知識」と「思わく」を「能力」と定義し、そのそれぞれに「あるもの」と「ありかつあらぬもの」という異なる「対象」を振り分け、両者の心的状態を明確に区別した。しかしながら、多くの解釈者たちは、この「あるもの」と「ありかつあらぬもの」をそれぞれ「真実在」(イデア)と「感覚物」と伝統的にみなしてきた。その考えに従うならば、プラトンによるこの区別は「私たちが知りうるのはイデアのみで、自分たちの身の回りの世界については何も知りえない」といういわゆる「二世界説」に帰着する他はない。しかしながら、この「二世界説」は、われわれ現代の認識論的立場から到底受け入れられないばかりでなく、プラトン自身の他の対話篇、さらには『国家』における彼の哲人王のプログラム自体とも重大な齪齬をきたすため、それがプラトンの真意であったかどうかは慎重に判断する必要がある。私は今回の発表で、この「二世界説」問題に取り組む多くの論者の中でも、とりわけ影響力のあるファインとゴンザレスの解釈を詳細に分析し、両者の見解もまた伝統的解釈と同様に「対象」を「外延的」に捉えているために、問題解決に向けて不十分であることを指摘した。対して、私自身は「能力」の「対象」をその「仕事」と決して切り離すことができない「内包的対象」と捉えることで「二世界説」問題を根本的に解決することを試みた。この見解は、学会のProceedingsの形式で紙媒体としてすでに発表されている。なお、口頭発表での議論を踏まえた正式な論文は、本学会のSelected Papersに投稿し、現在はその査読結果を待っているところである。

報告書

(2件)
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] クラフト・アナロジー序説-プラトン『国家』第一と『ゴルギアス』における技術と価値の問題について2010

    • 著者名/発表者名
      岩田直也
    • 雑誌名

      古代哲学研究

      巻: 42 ページ: 31-48

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of the Objects : Plato's Epistemology in Republic V2010

    • 著者名/発表者名
      Naoya Iwata
    • 雑誌名

      IX Symposium Platonicum Proceedings

      巻: 2 ページ: 34-38

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [雑誌論文] 知の個別性と全体性-プラトン初期・中期対話篇における技術と能力の対象概念について-2010

    • 著者名/発表者名
      岩田直也
    • 雑誌名

      古代哲学研究室紀要(ヒュポテシス) 15

      ページ: 26-50

    • NAID

      120001851036

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] クラフト・アナロジー序説-プラトン『国家』第一巻と『ゴルギアス』における技術と価値の問題について2010

    • 著者名/発表者名
      岩田直也
    • 学会等名
      古代哲学会
    • 発表場所
      京都・京大会館
    • 年月日
      2010-07-24
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] Analysis of the Objects : Plato's Epistemology in Republic V2010

    • 著者名/発表者名
      Naoya Iwata
    • 学会等名
      International Plato Society
    • 発表場所
      東京・慶應大学
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 知の個別性と全体性 -プラトン初期・中期対話篇における技術と能力の対象概念について-2010

    • 著者名/発表者名
      岩田直也
    • 学会等名
      ヒュポテシス合評会
    • 発表場所
      京都大学
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

URL: 

公開日: 2009-04-01   更新日: 2024-03-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi