研究課題/領域番号 |
09J03855
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
海野 敏紀 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | カルシウムチャネル / 脊髄小脳変性症 / ポリグルタミン病 / 神経変性疾患 |
研究概要 |
1. Sca6ノックインマウスSca6-MPI-118Q・コントロールノックインマウスSca6-MPI-11Qの電気生理学的解析 SCA6の変異アレルでは、Cav2.1電位依存性カルシウムチャネル遺伝子のポリグルタミンをコードするCAGリピートが異常伸長している。我々はこれまでに、SCA6の病態は、カルシウムチャネルの機能的な変化ではなく、何らかのtoxicgain of functionの機構によって発症することを明らかにしてきた。新たに作製したSca6ノックインマウスにおいても、幼若齢における基本的なカルシウムチャネルの電気生理学的変化は見られないことを確認するために、パッチクランプ等の手技で解析を行った。現在までの解析で、Sca6ノックインマウスでのCav2.1における電気生理学的な変化は観察されていない。従って、SCA6の病態は、チャネロパチーではなく、toxic gain of functionの機構によるものであると結論できた。 2. SCA6患者剖検脳における病理学的解析 我々が作製したSca6ノックインマウスにおいて、小脳プルキンエ細胞体に観察される変異カルシウムチャネル封入体は、主にリソゾームマーカーと共局在することを発見した。この病理学的特徴が、実際のSCA6患者剖検脳で確認できるかどうか、複数のリソゾームマーカーで検討したところ、モデルマウスで見られたように、変異カルシウムチャネル封入体がリソゾームマーカーと共局在していることを確認できた。 3. Rapamycin投与によるSCA6ノックインマウスマウスの治療 これまでの結果から、SCA6の病態にリソゾーム分解経路が関係していることが示唆され、オートファジー経路を活性化することで、Sca6-MPI-118Qマウスの症状を抑制できるのではないかと考えた。そこでこの仮説を検証するために、mTOR経路依存的に、オートファジーを活性化する作用を有するRapamycinを、Sca6-MPI-118Qマウスに週5回10mg/kg8週間腹腔内投与し、その効果を検討した。その結果、Rapamycin投与群は非投与群と比較して、ロータロッド解析にて有意に協調運動障害に改善が認められた。今後、病理解析を進め、治療効果の詳細を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画通り、研究を進めており、その成果について現在論文を投稿しているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果を論文にまとめ、現在行っている研究内容をさらに発展させるために、治療薬の候補となる薬剤スクリーニングや、分子病理学的解析を進めていく。
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