研究課題/領域番号 |
09J03926
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
遠藤 智子 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 2,080千円)
2013年度: 180千円 (直接経費: 180千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | スタンス表明 / 相互行為言語学 / 中国語 / 認識的態度 / 自然会話 / 舌打ち / インタラクション / マルチモーダル / スタンス / 会話 / 文法 / 自発発話 / 会話分析 / 談話機能主義言語学 / 認知言語学 / 補文構造 / 認識動詞 |
研究概要 |
出産・育児のための採用中断を経て採用を再開し、最終年度の後期半年分のみとなる今年度は、データ公開のための準備と学会発表を中心に行った。 データ公開のための準備として、まずサーバをレンタルしホームページを開設、国内外の研究者に研究状況や会話データの存在を周知できる環境を整えた。そして、既存の会話データを再度見直し、書き起こしの精緻化を進めた。関連する研究者とは既に連絡を取っているが、今後も学会等で共有可能な中国語自然会話データの存在をアピールし、当該分野の発展に寄与していく予定である。 9月に行われた日本認知言語学会では、「会話の中の文法と認知 : 相互 : 行為言語学のアプローチ」と題したワークショップを企画、実行した。相互行為言語学の背景や研究手法の特徴を説明したのち、自身の研究発表ではターン中間部における"我覚得"の使用に焦点を当て、自然会話という時間的制約がある中での発話構築のための時間稼ぎと、対面会話という社会的行為においてスタンス表明が持ちうる危険の回避という観点からその機能を論じた。 10月に行われた日本中国語学会では中国語の自然会話における舌打ちについて発表した。舌打ちという、一見したところ言語現象ではないような要素を文法との関連で研究するのは特に当該学会では非常に珍しいことであるが、100例以上のデータの観察に基づいた分析の妥当性を来場者とともに検証し、新たな文法研究の可能性を模索した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者自身の収集したデータの書き起こしは全て終了しているが、精緻化と公開に関してはまだ全てが完了しているわけではない。また、舌打ち等の現象に関する研究を優先させた結果、"覚得"以外の他の動詞に関しては研究を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
近年は言語使用のマルチモーダルな側面に対する関心が高まっており、本研究課題のデータもそのような研究に活用可能である。Multimodality in Mandarin Conversationという論文集への寄稿を打診されたため、論文執筆を行う。データの精緻化および公開の徹底に関しては、作業の協力者と予算が確保され次第適宜行っていく。"覚得"以外の動詞については、相互行為上の働きに注目すべき点が見つかるかを検討したうえで、分析を行うかを決定する。スタンス表明という現象全般に関して理論的枠組を構築し、研究の蓄積が薄い部分から着手する。
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