研究課題/領域番号 |
09J03975
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 愛媛大学 (2010) 九州大学 (2009) |
研究代表者 |
西 真之 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 相転移カイネティクス / マントル遷移層 / メージャライト / ダイヤモンド / ガーネット |
研究概要 |
地球深部に沈み込むプレートの内部は周囲のマントルよりも低温の環境であり、鉱物の反応速度が非常に遅い。そのため、プレート内部のマントル鉱物は完全に平衡相関係に従うわけでなく、高圧相安定領域でも低圧相のまま、準安定相として存在する可能性が指摘されている。地震波トモグラフィーに映るプレートの停滞領域は、予想される非平衡鉱物の存在領域でもある。従って、相転移速度の解明は、粘性や密度等、物性値に密接に結びつくため、プレート滞留のメカニズムを考える上で非常に重要な課題である。今年度は沈み込むプレート内で起こると考えられているpyroxene-garnet相転移速度を測定するために、この相転移速度を律速するgarnet粒内の原子の拡散係数を比較的低含水量条件下で測定した。出発物質として、マントル遷移層領域に存在すると考えられる化学組成を持つメージャライトガーネットと、天然のパイロープ的組成のガーネットを用いた。これらのサンプルを研磨し、お互いを接触させ、高温高圧条件下で反応させた。高温高圧実験にはマルチアンビル型高圧発生装置を用い、回収試料の化学組成の分析には透過型電子顕微鏡を用いた。得られた拡散係数から計算したpyroxene-garnet相転移速度は非常に遅く、沈み込むプレート内でこの相転移が進行しないことが示唆された。また、この相転移が進行しないことを考慮して沈み込むプレートの鉱物構成を構築し、その密度を計算した。その結果、沈み込むプレートはマントル遷移層領域で周囲のマントルより賢くなり、この領域でプレートが浮力を持つことが示唆された。
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