研究課題/領域番号 |
09J04104
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
久保 博一 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 重い電子系 / フラストレーション / 中性子回折 |
研究概要 |
本研究の目的は、擬カゴメ格子反強磁性体YbAgGeの圧力・磁場誘起磁気秩序相の出現機構と磁気フラストレーションとの関連を明らかにすることである。これまでのYbAgGeの圧力における電気抵抗、比熱測定から1.6GPa以上での磁気転移温度急増の原因が加圧による磁気フラストレーション効果の緩和によることが示唆された。また、圧力下磁化、磁気抵抗測定から、1.6GPa以上、4T以上に新たな磁気相が出現し、2.7GPaではさらに多数の磁気秩序相が出現することがわかった。そこで、それらの磁気秩序相の磁気構造の圧力変化と磁場変化を調べるために、ドイツ・ベルリンの「ベルリン中性子回折センター」で単結晶を用いた圧力下磁場中中性子回折実験を行った。 常圧下における中性子回折実験は既にフランスで行われており、(1/3 0 1/3)の磁気反射が観測されていた。今回、圧力下磁場中でその磁気反射強度の変化を調べた。 1.1GPaの圧力下で(1/3 0 1/3)の磁気反射は、2.6T以下の磁場中、0.8K以下の温度で確認できた。また、1.47GPaの圧力下では、2.4T以下の磁場中、0.6K以下の温度で確認できた。これらは、圧力下磁気相図から予想された基底状態の磁気相と対応している。同様に1.55GPaの圧力下でも(1/3 0 1/3)の磁気反射が観測されたが、1.55GPaでの積分強度は1.47GPa以下でのそれに比べて減少した。これは、1.6GPa以上での磁気構造の変化を示唆する。上記の結果を合わせたYbAgGeの常圧下磁気構造に関する論文を現在投稿準備中である。
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