研究課題/領域番号 |
09J04423
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 利和 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 有畜農業 / 犂農耕 / 牛耕 / エチオピア高地 / 農具 / ウシ / 人 / オロモ / 作業能率 / 犂・軛 / 飼養管理 / 犂軛 |
研究概要 |
平成23年5月9日から平成24年3月9日まで296日間10ヶ月間のフィールドワークを実施した。以下3点の情報を主に参与観察を実施し収集した。 (1)有畜農業の農業生産性を実証的に浮き彫りにすることが、本研究では不可欠である。そのため調査対象としているオロモの人々の3世帯を対象に10ヶ月を通じての農作業を観察、記録した。以上を通じて農事暦を示すことが可能となった。播種床の整地のための牛耕に関しては1日の作業能率、作業期間のデータを収集した。播種から生育期間中の除草、収穫までの一連の農作業を観察した。以上のデータには定性的な観察のみならず定量的データ、つまりは播種量から生産量までの収量を推測するデータも含まれる。今後は以上の情報を詳細に分析することにより、地域の農業生産性を算出することが可能であると考えられる。 (2)牛耕に関して、畜力をもたない世帯の畜力へのアクセスが問題であることが先行研究で指摘されている。そのため、調査地において牛耕の耕起作業の編成に関する互助労働の関係に着目した。牛耕に必要な2頭1組の去勢牛を確保するために、去勢牛を持たない世帯は5つの去勢牛貸借制度をもちいて、畜力を確保していることが明らかになった。5つのアクセスの決定プロセスについては、世帯間の関係を重ねた事例の分析を通じて紐解いていく必要がある。様々な相互扶助の形態が調査地では不足する畜力を補っていると考えることができる。 (3)有畜農業を農業経営学的に評価するために世帯単位の収入および支出に関する質問票を作成し、記入をおこなってもらった。支出に関しては種子、肥料、除草剤などの購入費用について、収入に関しては、換金作物のチャットの売却や、農業外労働などの項目を設けた。そのなかでも家畜に主に焦点をあてた結果、世帯間や個人間で差異があるものの、ウシの現金経済化が進行しているなかで、飼養と自給的利用がおこなわれている実態が把握できた。
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