研究課題
特別研究員奨励費
昨年に引き続きデザイン理論の本質的な部分を掴むことを目標としてデザインの概念を球面だけではなく球面を一般化したコンパクトな対称空間上で扱う研究を行った。現在球面以外のコンパクト対称空間でデザイン理論が構築されているのは階数1の対称空間とグラスマン空間などが挙げられる。階数1の対称空間上ではデザイン理論は球面の場合ほぼ同様のことが成り立つので完成された理論と呼んでも差しさわりはないが、グラスマン空間や一般の対称空間の場合に関しては、その帯球関数と呼ばれるグラスマン空間上の関数空間の再生核が複雑なために、デザイン理論の発展が遅れている。グラスマン空間のデザイン理論に関しては、2010年にA.Royによって偶数デザインの理論はほぼ構築された。残りの奇数の場合が今年度の主な研究対象である。球面の奇数デザインの理論で重要な役割を果たすのが極体的な有限集合、つまり原点に関して点対称な集合であった。グラスマン空間上の奇数デザイン理論を構築するためにはまず、極対集合を一般化する必要がある。申請者は対称空間上の対蹠集合に注目し、この対蹠集合の和集合が極対集合の一般化に当たる概念であると定め、奇数デザインの理論の構築を行った。今後はこの対蹠集合に着目すれば、デザイン理論で最も重要なデザインの位数の下界の決定が期待される。また下界が決まるとデザインがアソシエーションスキームと呼ばれる代数的に"きれいな"構造を持つための条件も得られると期待される。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
Designs, Codes and Cryptography
巻: (未定)(印刷中)
Advances in Geometry (未定)(印刷中)
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kurihara/index.html