研究課題/領域番号 |
09J04874
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
辻上 奈美江 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | サウディアラビア / ジェンダー / 正義 / 権力関係 / 外国人労働者 / 若年層 / トランスナショナリズム |
研究概要 |
「現代サウディアラビアにおけるジェンダーと正義-社会的弱者の研究を中心に-」では、サウディアラビア人の若者や外国人労働者など,当該社会において「弱者」と看做される人びとに照準を合わせ、それぞれのジェンダーの権力関係について「正義」の概念と照合させながら検討することを中心課題としている。具体的には、これらのデータを用いて、正義の概念の規範性を明らかにすることに主眼を置いている。 初年度となる平成21年度には、外国人労働者のなかでも女性家事労働者たちに着目する研究を行った。女性の国境を越えた労働移動は、近年、トランスナショナリズム研究などにおいて、労働移動の女性化現象として研究が蓄積されてきているが、先行研究の多くが、外国人労働者の劣悪な労働条件、暴力や虐待に注目してきた。これに対して、本研究者はサウディアラビアにてサウディ人と外国人労働者の生活にできる限り接近し、両者について、特に雇用者と被雇用者の関係性に着目する研究を進めた。この調査を通じて、雇用者であるサウディ人女性と被雇用者である家事労働者との関係は、しばしばメディアや国際人権組織によって批判的に描き出されたような「虐待」や「搾取」が存在することは否定できないが、しかし同時に、両者が緊張関係と同時に密接な関係を構築していること、そして両者がそれぞれに権力を行使するための戦略や交渉を重ねていることが明らかになった。 サウディアラビアは、私的領域へのアクセスが難しい国である。本研究の成果報告を通じて、中東地域研究、ジェンダー論研究、そしてトランスナショナリズム研究との対話を行っていくことが、今後の課題である。
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