研究課題/領域番号 |
09J04996
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片岡 圭亮 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | Evi1 / 造血幹細胞 / GFP / 急性骨髄性白血病 / 自己複製 / 白血病幹細胞 / Evil / Green fluorescent protein |
研究概要 |
申請者は昨年度までに得られた結果に基づき、Evi1の発現と造血幹細胞活性の関係についてさらに詳細な解析を試みた。具体的にはEvi1-GFPレポーターマウスを用いて成体骨髄のFlk2^-cD34^-分画、cD48^-cD150^+分画内でGFP^+細胞とGFP^-細胞を分離して競合的骨髄再構築実験を行い、GFP^+細胞にのみ多系統における長期的骨髄再構築能が認められるという結果を得た。これは長期造血幹細胞を高率に含むと考えられている極めて限局した分画内においても、Evi1の発現が造血幹細胞をマークすることを示していると考えられた。さらにEvi1の発現を既存の幹細胞マーカーと組みわせることにより造血幹細胞の純化能を高めることができる可能性も示唆していると考えられた。また胎生期の造血幹細胞分画である、胎盤(胎生12.5日)のCD34^+c-kit^+CD48^-分画、胎児肝(胎生14.5日)のMac-1^+Sca-1^+Lin^-分画にて同様の実験を行ったところ、成体骨髄と同様にGFP^+細胞にのみ長期的骨髄再構築能が認められた。これらの結果より、造血発生の全ての段階においてEvnの発現と自己複製能の間に密接な関係があることが示唆された。またEvi1のヘテロ欠損により造血幹細胞活性が低下するという結果が得られていたため、さらにEvi1の造血幹細胞における機能を解析するために、Evi1を造血前駆/幹細胞に過剰発現させてその影響を解析した。その結果、Evilが造血前駆/幹細胞の分化を抑制し、自己複製を亢進させるという結果が得られた。この結果はEvi1が造血幹細胞の数・機能の維持に必須の役割を果たすことを裏付けていると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予想以上にEvi1の造血幹細胞における特異性や機能的な重要性が示された。その結果、その結果、本砥究はThe Journal of Experimental Medicineという国際的に評価の高い学術誌に論文として受理された。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により正常造血におけるEvi1の発現パターンや役割については明らかになり、Evi1が幹細胞マーカーとして有用である可能性が示された。今後はEvi1の白血病、特に白血病幹細胞における役割を解析する予定である。具体的には我々が作成したEvi1-GFPレポーターマウス、Evi1ノックアウトマウスを用いて白血病モデルを作成し、その解析を試みる。
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