研究課題/領域番号 |
09J05091
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
稲場 純一 北海道大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | transcriptional gene silencing / epigenetic change / ウイルスベクター / 植物 / エピジェネティクス |
研究概要 |
我々は、Cucumber mosaic virus (CMV)を改変したウイルスベクターであるA1ベクターに野生型ペチュニアV26系統のchalcone synthase (CHS)遺伝子のpromoter領域を挿入したA1-CHSproを用いて、CHS遺伝子を標的にTGSを誘導することが出来た。またA1-CHSproを用いて誘導されたTGSはこのウイルスベクターが存在しない、自殖後代個体においても維持されることが前年度の研究で明らかにした。 これまでpotato virus X (PVX)ベクターなどを用いて内在性遺伝子に対するTGS誘導の試みがなされたが、成功事例は報告されていない。今回CMVベクターでは内在性遺伝子に対するTGS誘導を行うことが出来たことは特筆すべきことである。今年度は、なぜ「CMVベクターを用いて内在性遺伝子を標的としたTGSが誘導できたのか」という点に着目し研究を行った。すなわちCMVベクターが持つ2bタンパク質の役割がTGS誘導の促進に大きく関わっていると考えた。この仮説を証明するため、本研究ではプロトプラストassay systemを用いた。まずCHS promoter領域の配列に相同な二本鎖RNA(dsCHSpro)を作製した。dsCHSproと2bを同時に花弁から得られたプロトプラストに対し導入したところ、dsCHSproのみの対照に比べ、CHS mRNA量がより大きく減少し、大きなヒストン修飾の変化が観察された。つまり2bタンパク質はTGSを促進する能力を持つと考えられる。2bタンパク質は宿主細胞の核に局在する。またRNA silencingの引き金となるsmall interfering RNA (siRNA)と結合するという特徴をもつ。CMVベクターから発現する2bタンパク質がTGSを誘導するsiRNAと結合することによって宿主細胞の核への移行を促進することが明らかとなった。
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