研究課題/領域番号 |
09J05317
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉濱 陽平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | KIBRA / aPKC / 上皮細胞極性 / エキソサイトーシス / アピカル膜形成 / 頂端膜 |
研究概要 |
Ayu21-W171マウス(Wwc1ジーントラップマウス)の表現型を解析した。当該マウスはヘテロ接合体で胚凍結保存されていたものであり、ホモ接合体の解析は全く行われていなかった。まずヘテロ接合体のゲノムを用いWwc1(KIBRA)遺伝子がトラップされている領域をロングPCR法、インバースPCR法により解析・決定した。当該ヘテロマウスを交配しホモ接合体が得られるかどうかを解析したところ、これまでに得られた野生型、ヘテロ、ホモの個体数比は、15:22:5であり、メンデル比に照らし合わせるとホモの個体数が少なかった。ホモ接合体の脳由来タンパク質抽出液を用い、KIBRAタンパク質が完全に発現していないことを確認した。産まれてきたホモ接合体は出生時の体長が小さく、野生型と比較して力が弱かった。さらに、ホモマウスの中には尾の先端が曲がる、Wnt-PCP経路の異常と同様の表現型を示す個体が見られた。当経路に異常がある場合、通常は胎生致死であり、弱いアレルの個体に同様の表現型がみられる。したがって、KIBRA遺伝子破壊により、Wnt-PCP経路の破綻が生じている可能性が考えられる。さらに、胃がん検体を免疫染色し臨床病理学的因子との相関関係を解析したところ、KIBRAの高発現と脈管への浸潤に相関関係が見られた。また、そのような脈管への浸潤はaPKC低発現群でKIBRAが高発現している群に濃縮されていた。KIBRA単独の発現強度と予後不良には有意な相関が見られなかったが、aPKCの発現が低い群でKIBRAの高発現と予後不良に相関がみられた。KIBRAはaPKCの活性を抑制することを明らかにしており、aPKC低発現/KIBRA高発現群では、aPKCの活性が顕著に低下していると考えられる。aPKC低発現/KIBRA高発現群ではaPKC活性が顕著に低下することにより、上皮細胞の極性が破綻し、脈管への浸潤が亢進すると考えられる。
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