研究課題/領域番号 |
09J05382
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
藤井 剛 日本大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 量子情報通信 / 超伝導転移端センサ / 表面プラズモンポラリトン / 光子数識別器 / 暗計数 / 黒体輻射 / 量子干渉 / ボーズ粒子 / 超伝導転位端センサ / 検出効率 / 単一光子検出器 / 超伝導ナノワイヤ単一光子検出器 / 量子最適受信機 / 非ガウス状態 / 量子効率 / カイネティックインダクタンス |
研究概要 |
光子検出器の重要な性能の一つに暗計数率がある。超伝導転移端センサ(TES)は、低雑音であることから低暗計数率が期待されていたが、実際には数100Hz程度の暗計数率が存在した。この暗計数は、室温での黒体輻射によって発生した光子が光ファイバの端面から結合、伝搬、検出されることで発生するものが主であると考えられていた。今回、TESに接続するファイバの長さ及び温度を変えて、発生する光子のエネルギースペクトルを測定した。その結果、ファイバの長さ及び温度が変わることで、光子のエネルギー及び発生率が変わることがわかった。このことから、ファイバ自身からも多くの光子が発生し、ファイバに結合していることが明らかになった。さらに、数m以上のファイバを接続した場合、端面から結合する光子に比べ、ファイバ自身で発生した光子の割合が大きいことわかった。また、発生した光子の中心エネルギーは、0.60eV以下であった。そのため、このエネルギーの光子を除去するフィルタとして、ファイバの曲げ損失を利用したフィルタを開発した。このフィルタは、信号光子に対しては0.1dB以下の損失で、ファイバ中で発生した光子に対しては13dB程度の減衰であり、低損失かつ高S/N比を実現した。さらに、このフィルタは、ファイバを直径3cmで5回程度巻いたもので、これまでのフィルタに比べ小型かつ安価に作製が可能である。 TESを用いた応用実験として、単一表面プラズモンポラリトン(SPP)の量子干渉実験を世界で初めて行った。SPPは伝播損失が非常に大きいため、基本的な量子情報処理の1つである量子干渉を行うことは困難であった。本研究で開発した超伝導転移端センサを用いることで、30dBを超える挿入損失のSPPの干渉計においても、高い明瞭度でSPPの量子干渉を観測することに成功した。この量子干渉の結果は、ボーズ粒子による量子干渉の結果と一致しており、SPPがボーズ粒子であることを証明する結果ともなっている。
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