研究課題/領域番号 |
09J05491
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
機能物質化学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井口 弘章 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | 擬一次元ハロゲン架橋金属錯体 / MMX錯体 / 固体電気化学 / 吸脱着 / 電子状態 / ^<129>Iメスバウアースペクトル / 国際研究者交流 / オーストラリア / 有機・無機複合ペロブスカイト / ナフタレンジイミド(NDI)誘導体 / 有機半導体 / 分子性導体 / アニオンラジカル / 鉛ハライド錯体 |
研究概要 |
1.MMX錯体の固体電気化学測定による酸化還元挙動の解明 当研究者らは、MMX型擬一次元ハロゲン架橋金属錯体(MMX錯体)の中でも、pop(=P_2O_5H_2^<2->)配位子と2種類の対カチオンを有する錯体K_2(H_3NC_3H_6NH_3)[Pt_2(pop)_4I]・4H_2O(1・4H_2O)が、可逆的に水分子を吸脱着し、その物性が変化することを以前に報告した。この吸脱着能は、結晶内の一次元空孔における壁(鎖状分子)と水分子との間に化学的な相互作用があることに由来しており、この一次元空孔内の界面における相互作用を他の分子やイオンへと適応する可能性を探索するため、MMX錯体として初めて固体電気化学測定を行った。この錯体の還元反応は化学的に非可逆であり、電解質のサイズが大きくなるほど還元電位が低くなり、挿入が起こりにくいことを明らかにした。一方、錯体の酸化反応は化学的にはほぼ可逆であり、対カチオンが酸化に伴って脱離し、再還元の際には溶液中の電解質が空いたサイトに取り込まれることを示した。この電解質がテトラブチルアンモニウムイオンのように嵩高い場合には、再還元が起こらないことを明らかにした。脱水状態(1)では溶液への溶解性が増大してしまうために、可逆的な酸化還元挙動を得ることはできなかったが、このような固体中における電気化学的手法が、導電性の錯体の機能化に有用である可能性を示すことができた。 2.MMX錯体の^<129>Iメスバウアースペクトルの測定による電子状態変化の解明 上記含水錯体1・4H_2O及び脱水錯体1の電子状態を^<129>Iメスバウアースペクトルの測定によって明らかにした。脱水によってヨウ化物イオンは2種類から1種類へと変化したことから、脱水による構造及び電子状態の変化は、結晶全体に渡って起こっていることが明らかとなった。
|