研究課題/領域番号 |
09J05618
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
細川 義浩 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | 周波数変調方式原子間力顕微鏡 / FM-AFM / NCAFM / 赤外分光 / IR Spectroscpy / 量子カスケードレーザ / QCL / 自由電子レーザ / 周波数変調方式原子間顕微鏡 / 非接触型原子間力顕微鏡 / NC-AFM / 振動振幅制御 / 周波数シフトカーブ / 超高真空 / UHV |
研究概要 |
単一/少数有機分子系を機能性デバイスとして利用する分子スケールエレクトロニクス実現に向けては、個々の分子の電子状態や結合状態を高感度に測定することが必要不可欠となる。赤外光による分子振動励起を検出する顕微分光は非常に有効な手法である。しかしながら、これらの手法は光を照射し、その反応を観察するという特徴から、原理的な空間分解能の限界(~100nm)が存在する。そこで本研究では、従来の電子状態分光や顕微分光の空間分解能の限界を超えて、単一分子/少数分子系の電子状態/結合状態を解析することを可能とする「光照射走査プローブ物性評価法」を新たに開発することを目的とした。本研究においてグラファイト(HOPG)基板上にpolydimethylsiloxane(PDMS)をスピンコートした試料を作製し、強度変調した量子カスケードレーザー(QCL)(中心波長:1050cm-1)からの赤外光を強度変調してカンチレバー探針直下へ照射し、カンチレバーの変調周波数成分の振動振幅位相をロックインアンプで検出した。QCLの強度変調周波数はカンチレバーの1次共振周波数(68kHz)近傍とし、FM-AFMの探針-試料間距離制御にはカンチレバーの2次共振モードを用いた。照射赤外光の強度変調周波数をそれぞれ69kHzおよび65kHzとした場合の変調周波数におけるカンチレバーの振動振幅を検出したところ、PDMS上とHOPG上では赤外光照射によるカンチレバーの振動振幅に明確な差異があることがわかった。さらに、HOPGとPDMSの境界を詳しく観察することで、数10nm程度の空間分解能でPDMSとHOPGを識別可能であることを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
原子間力顕微鏡を用いた高空間分解能赤外分光技術についての有用性を示し、また新規手法開発によって従来方では実現が難しかった10nmオーダーでの赤外振動検出に成功したため。
|
今後の研究の推進方策 |
走査型プローブ顕微鏡を用いた赤外分光技術をさらに発展させるためには、利用する赤外光のパワー密度を向上させる必要がある。パワー密度が大きく波長可変な赤外光源として非線形光学結晶を利用したレーザーなどがあり、これらを利用することでより高精度な研究が可能である。
|