研究課題/領域番号 |
09J05730
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金藤 紫乃 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 遺伝子改変動物 / 性ホルモン受容体 / 骨細胞 / メカニカルストレス / 骨代謝 / 性ステロイドホルモン受容体 / エストロゲン受容体 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
硬組織中に多数存在する骨細胞は、メカニカルストレス伝達やCa/P代謝に関与するタンパクの分泌などにより、骨代謝に深く関与していると考えられる。そこで本研究では、骨細胞でのエストロゲン作用を明らかにするために、Dmp1-CreマウスとERαfloxマウスの交配により骨細胞特異的ERα欠損マウス(Dmp1-ERαKO)を作出し解析した。 前年度の結果より、Dmp1-ERαKOは対照群と比べ、骨形成低下による骨量低下が認められた。すなわち、エストロゲンが骨細胞のERαを介して、骨芽細胞数を正に制御している可能性が示唆された。そこで本年度はこのメカニズムを明らかにすべく、フローサイトメトリーによるDmp1-ERαKOの骨細胞の単離を試みた。骨細胞は硬組織に埋まっており単純な酵素処理のみでは単離が不可能であるため、まずフローサイトメトリーによりDmp1-GFPマウスから骨細胞を単離する方法を確立した。本単離法は、マーカー遺伝子の発現を確認した限りでは、酵素処理によるフラクションの分取に比べ、骨細胞が骨表面の骨芽細胞から純度の高く単離できることが確認された。系の確立後は、Dmp1-GFPマウスとDmp1-ERαKOや対照群を交配することにより、Dmp1-ERαKO・対照群の骨細胞を単離し、マイクロアレイによりそれらの遺伝子発現プロファイルを比較した。その結果、いくつかの標的遺伝子候補群を取得することに成功した。 また、ERαは過剰荷重による骨量増加に関与することが報告されているため、メカニカルストレスに対する骨細胞のERαの機能を明らかにするために、尾部懸垂により4週間の非荷重実験を施行したところ、Dmp1-ERαKOの大腿骨骨幹部の骨量は、対照群の同部位と比較して有意に減少した。このことから、骨細胞のERαは非荷重状態においても骨量維持に寄与していることが示唆された。 以上、本年度は骨細胞のERαの標的遺伝子候補群を取得することに成功した。また、非荷重状態においても骨細胞のERαが骨防御作用を担っていることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間で当初の目的通り、骨細胞特異的なERα欠損マウスを作出し、その表現型解析を終えた。更に、その分子メカニズムを明らかにするため、本年度は骨細胞の単離系を立ち上げ、標的遺伝子候補群を取得することに成功したため、当初の目的は概ね果たすことができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度で終了なので特になし。
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