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詩的言語とイメージ:ランボーにおける絵画性を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 09J05829
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 ヨーロッパ文学(英文学を除く)
研究機関東京大学

研究代表者

谷口 円香  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2009 – 2010
研究課題ステータス 完了 (2010年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードフランス近代詩 / ランボー / イリュミナシオン / ロジェ・ド・ラ・フレネ / フランス / 19世紀 / アルチュール・ランボー / 絵画性
研究概要

本研究は、ランボーの詩がもつ強いイメージ喚起力に焦点をあて、詩表現そのものに内在する絵画性を文体論および記号論的アプローチから解明することを目的とする。詩的言語の働き方と絵画の表現構造の共鳴を探り、19世紀後半から20世紀初頭にかけての詩と絵画の関係の変遷という広い視野から、ランボー詩の言語記号の自律が絵画の分野での線と色彩という記号の働き方の刷新に先行し、影響を与えているという領域横断的な考察を提示する意義を持つ。本年度はまず、ランボーのイメージ造形が、昨年度考察したロマン主義的ピトレスク詩、および高踏派の詩の絵画的イメージ造形とどう違うのか分析した。その結果、それら先行詩人の手法を学んだ上でその主観性を批判し、当時の政治戯画といった同時代の視覚イメージの暗喩に満ちた表象の2層構造を意味伝達のレベルにおいて抽出し、手法に取り込むことで、語る自己を巧みに隠し、意味伝達記号として自律した言語表現が喚起するイメージが浮き上がる表現構造が構築され、それが詩的イメージの視覚性を強め、ランボー詩に内在する絵画性を形成していることが明らかになった。ついで、ランボー詩における言葉という記号の革新的使用方法がどの程度後世に認識されていたのか、詩人のみならず画家にも具体的な影響が見られるかを検討した。既に先行研究のある19世紀末の象徴主義の再評価を確認した上で、20世紀初頭の受容に注目し、キュビスムの画家、ロジェ・ド・ラ・フレネが詩人コクトーを通してランボーの詩を知り、『イリュミナシオン』に挿絵をつける予定で制作した版画の存在に着目した。画家のカタログ・レゾネにも載っていない、フランス国立図書館に所蔵されている貴重なリトグラフを参照し、キュビスムと抽象の間で揺れる画家の創作上の進化の過程でランボー詩に対する考察が大きな意味を持っていたことを見出した。その成果をカナダの学会にて発表した。

報告書

(2件)
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] L'aspect visuel des Illuminations d'Arthur Rimbaud2010

    • 著者名/発表者名
      谷口円香
    • 雑誌名

      フランス語フランス文学研究 96

      ページ: 57-72

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Projet inacheve de l'illustration des Illuminations d'Arthur Rimbaud2011

    • 著者名/発表者名
      谷口円香
    • 学会等名
      "Le livre et l'artiste", 6e colloque etudiant du Groupede recherches et d'etudes sur le livre au Quebec
    • 発表場所
      カナダ、シェールブルック大学
    • 年月日
      2011-02-25
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 『イリュミナシオン』の絵画性-表現の型とイメージ2009

    • 著者名/発表者名
      谷口円香
    • 学会等名
      日本フランス語フランス文学会
    • 発表場所
      中央大学
    • 年月日
      2009-05-23
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

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公開日: 2009-04-01   更新日: 2024-03-26  

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